全国のスゴいお店をご紹介する「つのはず誠の“元気が出る<CD>ショップ”」。今回は、浜松を中心に展開されているイケヤ(さん、以下敬称略)の浜松メイワン店をご紹介します。
数年前、私はとあるレコード会社の勉強会に呼ばれ、その時にイケヤの池谷社長に初めてお会いしました。それ以前から全国のCDショップを回り始めていたとは言え、実は県庁所在地を優先にして、「浜松市は静岡市の近くだから後回しでいいか……」なんてタカをくくっていたのですが、社長と名刺交換した際にその裏面を見てビックリ!
CD、本、ゲームあたりはよくあるとして、さらに焼肉、宝くじ(現在はさらにアイスクリーム、黒餃子も!)と多角的に経営されているではありませんか。この拡大っぷりは、エネルギッシュなのか……それとも単にヤケっぱちなのか(ウソ)……兎にも角にもこれは“スパイ活動”をしなくては!と、すぐさま1日がかりで浜松周辺を行脚しました。
実際に浜松に行ってみると、静岡地方の温暖な気候や農工商の産業バランスの良さゆえなのか“のんびり感”がありつつも、愛知県に隣接する影響からかYAMAHAのお膝元なのか、クルマ&バイク社会特有の“ヤンキー感”(?)も共存していて、ちょっと他にはない特徴を肌で感じました。
そんな湘南と北関東がミックスしたような土地柄に加え、会社が「お客様のニーズがあれば何でもやる」という方針なのか、CDショップも実にカラフル。
- イケヤ全店の特徴としてアーティストごとのインデックスが細かい!什器の段数が多い!スペースの限界を、アイデアで改善しているのがよく分かります。なお、10の倍数日の特典実施はタワレコさんより早かったです。
日本屈指のダンスホール・レゲエ系先取りのロードサイド店あり、Perfumeの展開でグランプリとなる総合ショップあり、韓流関連商品オンパレードのオバ様御用達店あり、芳賀書店や秋葉原が近くにないことをいいことに、同人CDや成人指定の桃色DVDを充実させたお店あり(これはナルホド!と思いました)、ブラジルなど外国からの出稼ぎ労働者が多いこともあってか、イージーリスニング系充実のお店もあり……と、正直「イケヤ」という看板がなければ、およそチェーン店とは思えぬほど(微笑)、各お店が工夫されている、という点に感心しました。本部から「今月これね!」と強制されて渋々置かれたPOP、渋々かかっているヘビーローテーション曲などとは対照的で、もう殆どのお店にもっと行きたいな~と、浜松からの帰路はいつも名残惜しく思います。
そんな中で今回ご紹介する浜松メイワン店は、浜松駅のいわゆる駅ビルにあるのですが、この地域の多くのお店がヒップホップ系を多めなのに反して、この地域で最もロック系のCDのラインナップが豊富!
まるでCDショップ大賞の模範店みたいなお店だな~と感じました。しかし、それだけではなくて、ちゃんとジャニーズ系もK-POPの女性グループもあるし、女性R&Bのアーティストもかなり充実しています。要は、クルマ社会で温暖な浜松にあれど、他のファッション・グッズやレストラン目当てにメイワンに通う若い女性のことをちゃんと考えて展開していると見受けました。
全国チャートに合わせるのでもなく、ましてや会社に迎合するのでもなく、ただお客様に向いている視線って、どこか愚直で、でも商品もキラキラしているようで何だか嬉しくなってきます!次に、週間チャートを見てみましょう。
順位 | 作品名 | アーティスト名 |
---|---|---|
1 | 1!2!3!4! ヨロシク! | SKE48 |
2 | CHANGE UR WORLD | KAT-TUN |
3 | 流星 | コブクロ |
4 | 果てない空 | 嵐 |
5 | Anything Goes! | 大黒摩季 |
6 | この夜を止めてよ | JUJU |
7 | グッバイ | 小田和正 |
8 | ジャンピン | KARA |
9 | PARADISE | AAA |
10 | 闘え!サラリーマン | ケツメイシ |
1位は、名古屋に近いということもあってかSKE48がオリコンではダントツNo.1のKAT-TUNを超えています。KARAも長く売れているようです。その一方で、オリコンでは週間TOP10入りを逃したJUJU、小田和正、ケツメイシもランクイン。アイドルを大きく展開しつつも、楽曲として心地よいものもちゃんと売れているというのがしっかり見えますよね。
最後に、店長の小山さんからオススメの作品をご紹介いただきましょう。
小林太郎 『Orkonpood』
「我らが誇る浜松出身の20歳の衝撃。骨太なギターを鳴らしながら、疾走感溢れるサウンドを展開する全8曲。「怒り」「悲しみ」 そして 「愛」 を圧倒的なライブパフォーマンス!……小林太郎は今年の5月21日に佐鳴台店内で轟音LIVEも開催し熱気に満ち溢れたパフォーマンスを目の当たりにし、久々にROCKシーンに「本物!」が現れたと感じました。珍しく(?)当社一丸となって応援しています。先日は、お店に立ち寄ってくれて、LIVEのCOOLな感じとは違った20歳の若者というお茶目な一面も垣間見られて好感を持ちました。」
小林君がお茶目になれたのも、きっとお店に音楽の神様が宿っていたからでしょう。ああ、黒餃子も食べたし……またお邪魔させて下さい~♪