第54回 夢屋書店アピタ石和店さん

 全国のスゴいお店を紹介していく「つのはず誠の“元気が出る<CD>ショップ”」。第54回は、山梨県笛吹市の夢屋書店アピタ石和(いさわ)店(さん、以下敬称略)をご紹介します。

 12月上旬に起こった笹子トンネルの事故の影響で、山梨県内との流通に支障が生ずるというニュースを聞いて、山梨県は東京都のお隣と言えども、市街地へは山一つ越えて入っていくのだなとあらためて認識した次第です。早く復旧すると良いですね。

 さて、夢屋書店は、東海地方を中心に書籍やCD&映像ソフト販売、トレーディングカードなど販売されていて、アピタやピアゴといった同ユニー系列のショッピングセンターに入っているお店も沢山ありますが、山梨県にも2店あり、こちら石和店は甲府市の中心地から東へ5kmほど来た郊外にあります。


入口付近にある案内板。“We have”に続く言葉が気になります。やっぱり、夢屋だけに“We have Dreams”!?


フリーペーパーや予約票の置かれた入口付近。「フリーペーパー」と「ユニバーサルミュージック」の台紙にフリーハンドで書かれているのが気になります(笑)。


メインの平台に、マフラータオル付のいきものがかりや2CD+4DVD仕様のEXILEがドドーンと平積み。何気に敷いてある布が色で分かれていてマメ~。こういうのも女性スタッフの方だと違いますよね~。

 夢屋書店は、というかこれはアピタの特長なのか、入ってみると圧倒的に主婦層が多い!しかも、山梨県って、大自然に囲まれて早く結婚したくなるせいか(?) 明らかに子連れのママさん達の年齢が若い!なので、これが愛知県内のアピタにある夢屋だとオバさん(失礼)が多くベテラン・アーティストを中心にプッシュされていますが、こちらのお店ではそれのみならず、EXILEやいきものがかりもガンガンプッシュされています。但し、あくまでもお茶の間の人気者中心です。

 勿論、AKBやジャニーズコーナーも充実していて、特に嵐や関ジャニ∞がかなりプッシュされています。確かに、AKBは100~150万枚売れると言っても、大半が特定の通販サイトで販売される劇場盤で、リアルショップでは30~40万枚規模のヒット感なのに対して、彼らの場合は初回盤を欲しくて予約するお得意さんも、TVで見て通常盤を後追いで買うご新規さんもいらっしゃるので、ここ大切ですよね。また、VOCALOID系もありますが、それも、既に人気のある所を充実させている感じで、これも石和店らしい展開だと思いました。


考えてみたら、ジャニーズコーナーのあるお店は多数あれど、“嵐”専門率がこれだけ高いお店はあまりないかも。これもお客様あってのことなんでしょうね♪


今回の松任谷由実の売上げを大きく支えていると思われる主婦層をホイホイ呼び寄せる為、長期にわたり大きく展開。


Mr.Chidlrenの新作コーナー。万引防止のケース、久々に大きいのを見ました。

 他に、面白いなと思ったのが、下の「キャンペーンコーナー」。確かに、ここへは、「本」を目当てに、あるいはカルチャー系以外が目当てでショッピングされている方も多いでしょうし、こうして簡単にジャンル別にヒットを総覧できるって便利ですよね。あと、DVDのお買い得コーナーが入り口付近にあるのも、入りやすくていいなぁ。次に、シングルチャートを見てみます。


全ジャンルの強力商品が一望できる「キャンペーンコーナー」。これは便利!


入口すぐ近くに映像ソフトの「どれ3」(どれでも3枚3000円)コーナーがあるのは、やはりお客様あってのことでしょうか。


従来なかったVOCALOIDコーナーも決して超充実!ではないけれど、努力の跡が見られます♪
  

夢屋書店 アピタ石和店 シングルTOP10 (2012/12/10~12/16)
順位 作品名 アーティスト名
1 WORLD QUEST NEWS
2 永遠プレッシャー AKB48
3 MELROSE~愛さない約束~ EXILE ATSUSHI
4 1000年、ずっとそばにいて・・・ SHINee
5 サラバ、愛しき悲しみたちよ ももいろクローバーZ
6 The End of the Dream LUNA SEA
7 MONSTERS The MONSTERS
8 紙飛行機 コブクロ
9 冬の蛍 花咲ゆき美
10 花は咲く 花は咲くプロジェクト

 やはり、NEWS強し。最近は、ジャニーズネット専門商品も多いようですが、これだけリアルショップで支持されているので、今後もお店と仲良くして欲しいですね~。あと、ももいろクローバーZが発売4週目で5位をキープ。女性層にも浸透してきた証拠ですね!あと、演歌やチャリティー・シングルの「花は咲く」もランクインしていて、若い女性のみならず年輩の方にも人気のお店だと分かります。最後に、同店のセル担当の漆原さんにオススメ作品のコメントをいただきました。

ファンキーモンキーベイビーズ 『ファンキーモンキーベイビーズ5』

先日、解散を発表したファンキーモンキーベイビーズの5thアルバム。フジテレビ系ドラマ「早海さんと呼ばれる日」主題歌「この世界に生まれたわけ」や、映画「ボクたちの交換日記」主題歌「サヨナラじゃない」他を収録。初回生産限定盤DVDには、3曲のミュージックビデオ他、2012年9月9日に開催された「おまえ達との道~in 横浜スタジアム~」ライブダイジェスト映像も収録されています。


EXILEは実物でモノの大きさが見えていいなぁ。JUJU、まだ初回盤あり。急げ~♪


英語で「おいでおいで」している試聴機コーナー。何気に英語、お好きですね。。。


グラミー賞コーナーも、ライトファンにも優しいですね。

 ファンモンが一押しとなることも、やっぱり20代女性に大人気のお店だとお察しします。このおすすめコーナーで、大ヒット・アーティストをご紹介されるのも、これまでの54回の連載の中で一度もなかったように思いますが、こちらのお店が好調だというのは、やはりそういった一般のお客様と丁寧に向き合っていらっしゃるからだとお察ししました。(実は私、落ち目(笑)のアーティストのCDが店にないか、知らないそぶりで店員に尋ねることがあるのですが、あからさまに「うちにないっつーの、忙しいのに、もう・・・」的な態度の大型店スタッフをよく見かけます。)近隣にCDショップが少ない郊外だからこそ、こういったお店の親切さは重要ですよね。あらためて基本を学びました。またお邪魔させて下さ~い♪

 

つのはず・まこと。1968年京都府出身。地元国立大学理学部修了→化学会社勤務という理系人生を経て、97年に何を思ったか(笑)音楽関係の広告代理店に転職。以降、様々な音楽作品に携わり、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、本業で音楽分析やCD企画をする傍ら、日経エンタテインメント!、共同通信、歌ネット、OKMusicなどでも愛と情熱に満ちた連載を執筆中。Twitterは@t2umusic
2012年は、松崎しげるのメガ盛りシングル「愛のメモリー(35周年エディション)」などが意外と売れて、企画作品では03年、07年、08年、10年、12年と飛び飛びですがポテンヒッツを出しております。よく聞いたオリジナルCDベスト5は、amazarashi、面影ラッキーホール、竹原ピストル、クレイジーケンバンド、そして30年来レギュラーの中島みゆきでした。いつかボーカリスト重視、それでいてベストよりもオリジナル盤重視の時代は、来るのでしょうか。・・・頑張ります♪