第8回CDショップ大賞2016 クラシック前期推薦盤

CDショップ大賞では部門賞も選出しています。第8回より、クラシック賞に関しては、前期(1月〜6月発売)と後期(7月~12月発売)の年2回に分けて“推薦盤“を発表させていただく事になりました。

先日CDショップのクラシック担当の有志の方にお集りいただき、それぞれご推薦いただいた作品を「クラシック賞の推薦盤」としてご参照、ご参考いただければと思います。(推薦盤の中から部門賞「クラシック賞」が決定されるという事ではありません。)

『第8回CDショップ大賞2016 クラシック前期推薦盤』をご紹介します。
(アーティスト名五十音順)

『CINEMA CLASSIC』 石川綾子
(TURTLE MUSIC RECORD/TMRC-011)

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CLASSIC界で新たな境地を開拓し続ける石川綾子の最新アルバム。前作ボカロカバーアルバム「VOCALO CLASSIC」で話題沸騰となった勢いをそのままに、世代を超えて心に染み入る不朽の映画の名曲をヴァイオリンで奏でます。ジャンルの柵を超えて訴えかける音楽性は本物。魅惑的な響きと素晴らしいメロディーが見事に融合した素敵なアルバムです。
(タワーレコード株式会社 商品本部 洋楽2部 Classic Buyer 北村 晋)

『シベリウス:交響曲第4番、第5番』 尾高忠明、札幌交響楽団 
(フォンテック/FOCD-6048)

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札響<シベリウス交響曲シリーズ>のライヴ録音第3弾。シベリウスの音色を魅力的に奏でる、日本で最右翼のオーケストラによる至高のシリーズ。純度の高い弦楽器の音色と、透徹した響きの木管楽器群、力まず明快な金管楽器群による現代最高のシベリウス演奏のひとつです。シベリウス生誕150年に相応しい、日本が誇るアルバム。
(タワーレコード株式会社 商品本部 洋楽2部 Classic Buyer 北村 晋)

 

『IX〜ヤニス・クセナキス:プレイアデス/ルボン』 加藤訓子
(LINN RECORDS/東京エムプラス/CKD-5955)

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6人に打楽器奏者のために書かれた『プレアデス』を、一人で多重録音したアルバム。「金属」「鍵盤」「太鼓」と、楽章ごとに同種の楽器によるアンサンブルで構成される作品。リズムと音程の微妙なズレが生み出す音響を、由緒あるオーディオメーカーでもあるLINNならではの優秀録音でたいへん心地よく捉えており、一見難しい印象の現代音楽を、広い層に愉楽の響きを提供するアルバムに仕上げている。
(株式会社ローソンHMVエンタテイメント 商品本部 クラシックバイヤー 久保 昭)

 

『ファンタジー』 清水真弓
(オクタヴィア・レコード/OVCC-00115)

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リンツ・ブルックナー管弦楽団の首席トロンボーン奏者(オーストリアで初の女性首席)を経て、2012年秋より南西ドイツ放送交響楽団(バーデン=バーデン/フライブルク)首席奏者を務める清水真弓の1stアルバム。彼女の音楽性と技術が存分に発揮されたこの盤を聴くと、楽器の垣根を越えた表現にただただ脱帽。待望の世界レベル・アルバム。
(タワーレコード株式会社 商品本部 洋楽2部 Classic Buyer 北村 晋)

 

『ゴルトベルク・ヴァリエーションズ』 清水靖晃&サキソフォネッツ
(エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ/AVCL-25869)

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2段鍵盤のために書かれたバッハの名曲を、5台のサキソフォンと4台のコントラバスで演奏。クラシカルの範疇を逸脱しないアレンジで、レコーディング・ロケーションの音響を有効に取り込んで作られた音が、結果的にたいへん先鋭的な響きを内包するという、20年近く前の、あの『無伴奏チェロ組曲』の手法を発展させたアルバム。この作品が持つ普遍性と、新たな魅力を感じることが出来る一枚。
(株式会社ローソンHMVエンタテイメント 商品本部 クラシックバイヤー 久保 昭)

 

『ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番《春》・第6番・第10番』 庄司紗矢香、カシオーリ
(ユニバーサルミュージック/UCCG-1700)

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2010年からリリースされてきた全集録音の完結編。お互いにリスペクトし合う二人だからこそ可能な、時に厳しく、特に寄り添うようなやり取りが魅力。『春』冒頭の溜息のような表情から、深い表現力にぐっと引き込まれる。さらには、ピアノがヴァイオリンの伴奏ではなく、両者対等な形式を確立した第10番において、二人のアンサンブルの魅力は最大限に引き出されている。
(株式会社ローソンHMVエンタテイメント 商品本部 クラシックバイヤー 久保 昭)

 

『DUO』 荘村清志&福田進一
(日本コロムビア/COCQ-85265)

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我が国の代表的ギタリストのお二人のデュオが、CDとなって初登場。荘村清志はスペイン、福田進一はフランスと留学先も違い、日頃プログラミングもファン層も異なる二人が、それぞれの個性を生かしながら映画音楽あり、オリジナル曲あり、委嘱作品ありの多彩なプログラムで聴き手を楽しませている。まさに奇跡の共演。
(株式会社山野楽器 商品部 チーフMD 峯岡 隆)

 

『シベリウス:交響曲全集』 ピエタリ・インキネン、日本フィルハーモニー交響楽団
(ナクソス・ジャパン/NYC-27286)

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シベリウスの演奏では定評のある日本フィルが、来年から首席指揮者に昇格するピエタリ・インキネンの指揮のもと、交響曲全曲を録音。
全曲を通して繰り返し聴いていただくことにより、卓越したシンフォニストであったシベリウスの真髄を体験できる。インキネンの指揮も静謐なシベリウス・トーンを際立たせ、聴き終えた後に言葉で言い表せない充実感で満たされる、出色の全集。
(株式会社山野楽器 商品部 チーフMD 峯岡 隆)

 

『ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」』 山田一雄、大阪センチュリー交響楽団
(ナミレコード/WWCC-7782)

WWCC-7782

亡くなる5ヶ月前の1991年3月のライヴ録音が、24年の時を経て初めて陽の目を見た。熱い音楽作りでファンも多かった山田一雄の指揮で、当時結成3年目の大阪センチュリー交響楽団(現:日本センチュリー交響楽団)が小編成ながら音に厚みがあり、地に足の着いた堂々としたベートーヴェンを聴かせている。英雄交響曲の魅力が改めて堪能できる1枚。
(株式会社山野楽器 商品部 チーフMD 峯岡 隆)