全国のCDショップ店員が、年に一度の投票で選ぶCDショップ大賞。メジャー、インディーズを問わず、過去1年間に発売された作品を対象とし、一次と二次の2回におよぶ投票を経て、「大賞」の他に様々な賞をアーティスト及びその作品に授与します。全国のCDショップでは、今日も様々な素晴らしい作品があなたとの出逢いを待っています。人生を変えてしまうかもしれない……、そんな作品との出逢いの場をCDショップ店員は日々演出しています!この賞をきっかけに、CDショップの店頭から沢山の素敵な出逢いが産まれたら嬉しいです。

CDショップ大賞では部門賞も選出しています。第8回より、クラシック賞に関しては、前期(1月~6月発売)と後期(7月~12月発売)の年2回に分けて“推薦盤“を発表させていただいています。CDショップ・クラシック担当の有志の方にご推薦いただいた作品を「クラシック賞の推薦盤」といたしました。それぞれご参照、ご参考いただければと思います。(推薦盤の中からのみ部門賞「クラシック賞」が決定されるという事ではありません。)

第9回CDショップ大賞2017 クラシック前期推薦盤(アーティスト名五十音順)

■『ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲《展覧会の絵》ヴェルディ:歌劇《運命の力》序曲』アンドレア・バッティストーニ
COGQ-88(2016/02/17)

アンドレア・バッティストーニ『ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲《展覧会の絵》ヴェルディ:歌劇《運命の力》序曲』
「展覧会の絵」はラヴェルによるフランス的極彩色の味付けよりも、曲本来の土臭さの表出に重きを置いているようです。また、それぞれの曲を派手に鳴らすこともさることながら、細やかな表情付けによって各曲の個性を表出しており、これによって個々の曲の面白味を主張しながらも、組曲全体の自然な場面展開にも成功しています。地の底から湧き上がる革命歌のような「ビドロ」など、個性的な表現が随所に聴かれるのも楽しいところです。また「運命の力」は強靭に鳴る金管と、切れ味鋭い弦楽器群の対比が素晴らしい力演。
(HMV 商品本部 クラシックバイヤー 久保昭)

 

■『A』伊藤亜美
TCR2016A(2016/05/18)

TCR2016A_acs_F_0414
2014年発売のソロアルバム「French Romanticism」に続く伊藤(旧姓:尾池)亜美の新作アルバム。前回のフランクでの自然体そのままに素直でしなやかなヴァイオリンは出色。今回は無伴奏の曲をセレクトし、バッハからバルトークへのスムーズな流れには驚きます。意欲的な選曲がアルバムの価値を更に高めており、通して聴くべき演奏です。
(TOWER RECORDS 商品本部 洋楽2部 Classic Buyer 北村晋)

 

■『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第5巻「極限」』小菅優
SICC-19004(2016/02/10)

1aSICC19004_FH1A_H1-4_prep.pdf
玄人を唸らせてきた、小菅優のベートーヴェン:ソナタ全集の最後を飾る2枚組です。「悲愴」「熱情」の音の切れ味、最後の3曲のソナタでの安定した打鍵から生み出される情感豊かな音楽。どのような感銘の言葉も陳腐に聞こえるほどの充実した音楽が展開されています。全てのピアノ・ファン必携。
(山野楽器 商品部 チーフMD 峯岡隆)

 

■『フランク&R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 他』諏訪内晶子
UCCD-1427(2016/04/06)

通常版CD_Booklet_H1
4年振りの新譜。チャイコフスキー国際コンクールの優勝から26年が経過し、質実ともに充実した響きを聴かせる注目のアルバム。R.シュトラウスから今年没後20年を迎えた武満徹の「悲歌」をはさんで、フランクへと至るコンセプトも見事。1枚のアルバムを通して考え抜かれた諏訪内の実像がこの盤に詰まっています。
(TOWER RECORDS 商品本部 洋楽2部 Classic Buyer 北村晋)

 

■『オホーツク幻想』冨田勲
COGQ-89(2016/03/23)

解説書表1-4台紙
今年5月に亡くなった、放送音楽の巨匠にしてシンセサイザーの開拓者、冨田勲。彼が残した作品を再構成するシリーズの一枚です。1996年のオリジナル曲を、「宮沢賢治へ妹トシからの架空の手紙」というコンセプトで改作したファンタジー『オホーツク幻想』を中心に、1979年のアルバム『ダフニスとクロエ』より、『パヴァーヌ』と『マ・メール・ロワ』も収録。また彼がムーグを入手した翌年である1972年という最初期に、TBSブリタニカの付録として発表された『銀河鉄道の夜』(モノラル)を初CD化。試験的作品ながら、口笛、機関車、パピプペ親父など、TOMITAサウンドの主要要素が既に現れていることに驚かされます。
(HMV 商品本部 クラシックバイヤー 久保昭)

 

■『ショパン:ワルツ集』仲道郁代
SICC-19006(2016/02/03)

1aSICC19006_FH1A_H1-4_prep.pdf
ショパンのワルツ全曲を、ショパンの活躍した時代のピアノ(1842年製プレイエル)での演奏と、現代のピアノ(2013年製スタインウェイ)での演奏で聴き比べられる興味深いアルバム。それぞれの特質を生かし、時には華麗に、時には優雅に。仲道郁代の奏でるショパンは常に様々な魅力にあふれています。
(山野楽器 商品部 チーフMD 峯岡隆)

 

■『バリーグレイ サンダーバード音楽集〜オリジナルスコアによる』広上淳一指揮 東京ガーデン・オーケストラ
COCQ-85289(2016/04/13)

広上淳一指揮 東京ガーデン・オーケストラ『バリーグレイ サンダーバード音楽集〜オリジナルスコアによる』(COCQ-85289)
今年前半のクラシック界を賑わせた驚きの新譜。これまで失われていたと思われたオリジナル・スコアが、関係者の尽力により発見!ズバりサンダーバード世代である指揮者の広上と、制作者の思い入れが結実した「作品」です。お馴染みのメロディーが蘇るのを聴いて、興奮しない方はいません。演奏・録音ともに素晴らしいアルバムです。
(TOWER RECORDS 商品本部 洋楽2部 Classic Buyer 北村晋)

 

■『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータ全曲』堀米ゆず子
OVCL-00587(2016/03/18)

OVCL_00561_FRONT_OBI
エリーザベト王妃国際コンクール優勝から36年。常に第一線で活躍する世界的ヴァイオリニスト、堀米ゆず子が満を持して録音した「無伴奏」。ヴァイオリニストの頂点ともいえる名曲が、素晴らしい録音とともに堪能できます。ブックレットに自ら自由に書かれた1曲1曲の楽曲解説が新鮮で面白く、何度も繰り返し鑑賞に値する名盤の誕生です。
(山野楽器 商品部 チーフMD 峯岡隆)

 

■『ヒンデミット:ホルン・ソナタ 他』ラデク・バボラーク、菊池洋子
OVCC-00124(2016/06/24)

F3
様々な管楽器のためにソナタを残しているヒンデミットですが、その中からホルン・ソナタ、アルト・ホルン・ソナタ(フレンチによる演奏)とホルン協奏曲(ピアノ伴奏)を、現代最高のホルン吹きバボラークの演奏で収めた大注目盤です。またこれらの作品はピアノの負担が大きなことでも有名ですが、そこには彼が絶対の信頼をおいて共演を重ねている菊池洋子という強力な布陣。超絶にして自然な、この上ないヒンデミットです。さらには、ケクランによる無伴奏ホルンのための超絶作品を2曲追加収録という嬉しさ。
(HMV 商品本部 クラシックバイヤー 久保昭)

 

■湯浅卓雄指揮 東京藝大シンフォニーオーケストラ『信時潔:交響曲 海道東征 他』
NYCC-27300(2016/04/13)

hyo1_hyo4
皇紀2600年にあたる1940年に、北原白秋作詩、信時潔作曲で作られた大規模な交聲曲(カンタータ)が信時潔の没後50年の2015年、初演時と同じ東京芸大の奏楽堂で演奏され、CD化。充実した演奏陣もさることながら、作曲当時の時代背景、作曲の経緯など、日本の音楽史を語る上で貴重な資料となる全40ページの充実したブックレットは必見です。
(山野楽器 商品部 チーフMD 峯岡隆)