CDショップ店員が語る“山下達郎” 9/26「OPUS~ALL TIME BEST 1975-2012~」発売!②

前回に続き、CDショップ店員が語る“山下達郎” の2回目。
ベストアルバム「OPUS~ALL TIME BEST 1975-2012~」本日9/26(水)発売です!

◎十字屋CROSS  三浦直貴

 ソロデビュー35周年の達郎さん。これまで数多くのヒット曲や名盤を作り上げ、また作り続けているので達郎さんのこと(音楽)を知らない人はいないくらいだと思いますが、それでも「クリスマスイブ」や「RIDE ON TIME」最近だと「街物語」「希望という名の光」くらいしか知らないという方々もまだまだいらっしゃると思います。

 今回僕がショップの人間としてそしてファンの一人として願うことはこの「OPUS~ALL TIME BEST1975-2012」をきっかけに山下達郎の楽曲達がいまの10代、20代や同世代でも数曲しか知らない方々などにもっと広がればいいなーと。そして「パレード」を聞いていいなーと思ったらシュガーベイブのアルバムを。「WINDY LADY」を聴いてなにか感じるものがあればアルバム「サーカスタウン」を。それぞれの楽曲が収録されているアルバムを是非聴いてほしいと思います。

 個人的に好きなアルバムは「SPACY」。独特の空気感がたまりません(笑)

 また達郎さんの作品と一緒にAlan O’Dayのアルバムは如何でしょう?今回のベストアルバムに収録されている「YOUR EYES」「THE THEME FROM BIG WAVE」などを作詞された人物で達郎さんを語る上で欠かせない方のひとりです。日本ではあまり知られていませんがとっても有名な方で昔達郎さんが「もう少し商業的だったらもっと売れていた」とコメントしていたのを思い出します。77年リリースの「アペタイザーズ」や「オージョニー!」など昔の作品が再発されていますのでこちらも機会があれば聴いてみてほしいです。

 春夏秋冬いつの時代にも達郎さんの音楽があったことに感謝します。それぞれの楽曲達と共に「僕の中の少年」は生きています。

◎新星堂 SHINSEIDO事業部 商品部 部長 野々口敏之
「まず出会い~」

 僕は84年新星堂に入社、所沢の丸井の中の小っちゃいレコ屋でした。84年っていうのは3月大瀧詠一「EACH TIME」そして4月竹内まりや「ヴァラエティ」、6月山下達郎「Big Wave」が発売、思えばすごい年でした。次作86年「Pocket Music」で初めてディーラーコンベンションに参加、そのご尊顔と生語りを拝見し、何とか目立とうと質問をしたのを覚えてます。曲としては79年「愛を描いて -LET’S KISS THE SUN-」を聴いて認識してたくらい、大学に入って「Ride On Time」と遡って聴いた「BOMBER」でぶっ飛び、その後内省的な世界にも違和感なくシフトできたのもレコ屋を集めて本人が語るディーラーコンベンションの開催などでテレビメディアを使わない代わりに僕らをメディアとして考え自ら語り、ふれあうことでシンパシーを築けていたのが大きかったのかもしれないです。

 98年からは店舗から本部の販促に異動していたので取材を行う幸運に恵まれて達郎さんにも認知され最新OPUSまで6回の取材の機会を頂きました。FUSIONとAOR(とアイドル)を愛する僕ですがJPOPは達郎、まりや、大瀧、オフコースがセンターでしたので達郎さんとのこの深いかかわりはこの仕事についてよかったと思える大きなポイントですし、尊敬できる現役最高峰のJアーティストなのは間違いありません。

「ベスト盤と一緒に買いたい、達郎さんを聴くならこのアルバムもおススメ!」

達郎さんのフェイヴァリットはなんと言ってもJames Brownです、あとCartis Mayfieldは聴かないと。Rhino / Wea編集のVA 「Doo Wop Box」4枚組100曲は秀逸、オンスト好きは必須です ,そしてRascals、The Beach Boysなどなど、毎週のラジオ「Sunday Songbook」でかかる音源はまあその懐の深さの表出ですので霧がありません。まあ差しさわりのないセレクトです。

「達郎さんのアルバムで最も好きなアルバム」

これは1枚は選べないですがRCA/Airだと「Ride On Time」の特にA面、このFunknessはたまらないしB面頭「夏への扉」名曲です。僕のフェイヴァリット曲「Sparkle」収録の「For You」もですが次点は「Go Ahead」かな、こえは作家主義の五目味の傑作。超初期も好きなんですが。Moon/WARNER時代だとやはりアナログの極致「Melodies」これは自らの作詞の時代のスタートであり、夏だ海だ達郎だからの脱却、決してクリスマスイブが入ったアルバムだけではないのです。デジタルの一時完成形、自ら名付けた職人作品「ARTISAN」、「僕の中の少年」B面も好きだなあ。今回のOPUSではWarner時代のDisc3対象だとまず初取材の「COZY」は緊張もしたけど感動した、CD収録時間目いっぱい入った楽曲が全て思いで深い、「Ray Of Hope」最新作が過去作を凌駕するというのは現役のアーティストとしては重要だと思うけど、本当に還暦を前にまだ前に進んでいるのを感じたのが素晴らしい。バラードがタイアップの関係で増えてますが今のリズム隊が非常に良いのでUPな曲をもっと聴きたいところ。次回作はUPなミニアルバムというのも考えてるとのことでしたので、気長に待ちます。On The Street Cornerシリーズも全部好きですが、やはり取材して詳細まで聴けたオンスト3が思いで深い。

「達郎さんのここが凄い!」

ミュージシャン、音楽家としての総合力とでも言いますかね。まずプロデュース力~まりやさん含めてのアレンジ、そしてコレクターとしてもとてつもない音楽知識、過去アーティストへのオマージュとしての作品などのソングライティングはもちろん、声のすごさ(音質、声量、技術(一人アカペラ))、プレーヤーとしてのギターカッティング、コンピューターミュージックを含めたデジタルへのこだわり、サウンド&レコーディングマガジンでも必ず取材を受けるエンジニアリング部分のこだわりなどなど曲作りから盤やライブの音質まですべての部分へのこだわりとその質の高さ。まあ存在全部です。


BOOKSあんとく三潴店

◎ペット・サウンズ・レコード 森 陽馬
変わらないことの素晴らしさ。新しいことへ挑戦する勇気。
年を重ねながら更に前へ進み続ける山下達郎に一生ついていきます。

山下達郎「OPUS~ALL TIME BEST 1975-2012~」
2012年9月26日発売
初回限定盤(4CD)WPCL-11201/4
通常盤(3CD) WPCL-11205/7