全国のスゴいお店を紹介していく「つのはず誠の“元気が出る<CD>ショップ”」。第15回は、和歌山市にあるTSUTAYA WAYガーデンパーク和歌山店(さん、以下敬称を略し、“TSUTAYA WAY”と呼びます)をご紹介します。
全国のCDショップを回っていると、海はその土地の雰囲気を大いに助長しているな~とつくづく思います。例えば、都会に比べ“都会×海”は、若い子がオシャレだったり、よくナンパしていたり(笑)活発ですし、米軍基地のある街なら“×海”で、独特な開放感と閉塞感がより強かったり、海の無い街(京都市)出身の私などはその海の“掛け算”にいちいち感心しています。そして、今回の和歌山も、城下町に海の要素が加わって、歴史を感じながらもさざ波のようにゆっくりと暮らしている人が多いように見受けられました。和歌山市駅から2.5kmほど離れたこのTSUTAYA WAYにも、普段なら急ぎ足や交通機関で行くところ、穏やかな天候にも恵まれ、足取りを自然とゆったりとさせておりました。(ちなみに、和歌山は演歌系に強くて良いお店も他に多数あることを申し添えておきます。)
羨ましいくらいに広い間口。でも、そのスペースをムダになさっていないのがお見事。
実はこの日、私は朝の8時すぎにガーデンパークに着いてしまって、10時前に着いたけれど大型商業施設だし、カフェコーナーあたりでスケジュール確認でもしようかな~と思っていたのですが、なんとこちら24時間営業(正確には深夜3時間ほどは清掃作業をされているそうです)で、既に開店されていました。
現在ヒット中の少女時代のPOP。丁寧な切り抜きもいい味出しています!
郊外型で営業時間の長いお店と聞くと、深夜帯にヤ○キーの方々が、幅を利かせてガッツリとタムロする(笑)イメージも多いのですが、TSUTAYA WAYのように早朝からお店が開いていると、なんとも清々しくショッピングを楽しんでいる家族連れが多く、大変驚きました。(確かに、早朝からの買物なんて家族あるいは家族同然の恋人としかしないですもんね。)それは、和歌山という穏やかな土地柄や、ガーデンパーク店内の清潔感も関係しているようにも感じました。深夜営業に強いお店では、前述のワイルドなB-BOY系御用達のCDがヒットするのだから、その対極となるヒットパターンがあっても何ら不思議でもありませんよね。
演歌コーナーを示す看板にただならぬ熱意!これならどんな老眼でもバッチリですね♪
そして、本、レンタル、セル、カフェと施設内も広くて綺麗で良いのですが、隣接する野外広場も本当に広く開放的で、「うわぁ~~、ここで良い歌や演奏のイベントを観てみたいな~」と見た瞬間に感じました。後日、実際にフリーLIVEやCD即売も開催されていることが分かり本当に納得した次第です。
イベントが始まるとこの通り!人だかりの輪の大きさに驚きます。ちなみに、この時は後述するHEAD SPEAKERのLIVEが開催されていました。
さらに、こういった広いお店の特徴でもあるのですが、オールジャンルに充実している反面、どこか有機的な要素が少なく寂しく感じるお店も少なくありません。しかし、TSUTAYA WAYでは和歌山出身アーティストを猛プッシュされていることで、あぁ、広くても心が通い合っていることをディスプレイや接客態度で示せば解決できるものなんだな、と勉強させられました。これも、和歌山で見るといっそう心に響きます。
こちら地元アーティストのorange potting。掲載誌も並列させていてとても丁寧。
こちらも地元アーティストFUMIによるMIX-CDコーナー。様々な字体による説明から、機会あるごとに何度もプッシュされてきたことがうかがえます。これも愛、あれも愛、たぶん・・・じゃなく間違いなく愛!
次に最新のアルバムチャートを見てみましょう。
順位 | 作品名 | アーティスト名 |
---|---|---|
1 | Checkmate! | 安室奈美恵 |
2 | ヴォーカリスト&バラード ベスト | 徳永英明 |
3 | SONGS FOR JAPAN(輸入盤) | オムニバス |
4 | どーも | 小田和正 |
5 | 正しい相対性理論 | 相対性理論 |
6 | Road Show | 松任谷由実 |
7 | guitarissimo | miwa |
8 | ケツノポリス7 | ケツメイシ |
9 | ウェスティング・ライト | フー・ファイターズ |
10 | ナイン・ストーリーズ | T-SQUARE |
TOP5は最近発売されたCD中心ですが、6位~8位は発売4週以降の作品がロングヒット、10位にT-SQUAREが全国チャートよりも20ランク以上も上位で好調です。作品が長く売れたり、また長く活動しているアーティストが売れていたり、とその一過性ではない応援ぶりに、このお店や県民性の穏やかな部分が読み取れて好印象を持ちますよね。これが、早朝営業の効果なのかもしれませんね。最後に、セルCDご担当の小竹潤さんよりオススメ作品のコメントをいただきました。
HEAD SPEAKER / ∞COLORS(インフィニットカラーズ)
かの「閃光ライオット2008」にてファイナリストまで進出した、メンバー4人全員が和歌山出身&在住のバンド“HEAD SPEAKER(”の2ndミニアルバムです。
紅一点メンバーKANAさんのキュートでパワフルな声を疾走感あるバンドサウンドにのせ、ポップでキャッチーな楽曲を中心に、時にはドキっとさせられるバラードもありのタイトル通りの色鮮やかな全8曲のミニアルバムです!
HEAD SPEAKERも店頭でプッシュ中。CD上のイベント・レポートもナイスですね。流れ作業でイベントをこなす某店も見習うべし。
ちなみに、発売週は約200枚の売上、その後もコンスタントに売れ続け、現在aikoのベスト2W、EXILEに次ぎ、アルバム年間第4位の売上げだそうです。(キュートでパワフルな女性ボーカル)×(骨太なサウンド)×(ポップでキャッチーな楽曲)と聞くと、JUDY AND MARYが想起されますが、実際に聞いてみるとジュディマリとは似てはいないのに、彼らのようにブレイクするかも!と思わせる雰囲気があります。CDショップ大賞とも相性が良いタイプなので皆さんチェックしてみては?
こんな風に、お店が郷土愛で溢れているって本当に素敵ですね。これぞリアルショップならではの強みだと思いました。またお邪魔させてくださ~い♪