第17回 高良レコード店さん

 全国のスゴいお店を紹介していく「つのはず誠の“元気が出る<CD>ショップ”」。第17回は、沖縄県那覇市にある高良レコード店(さん、以下敬称略)をご紹介します。
(Twitterはhttp://twitter.com/takararecords

 沖縄県は、山原地方や離島などで地場のCDショップが少なくなっていますが、それでも那覇市の新都心から国際通り付近には元気なお店がまだ沢山あります。老舗の中では、いつ行っても魅川憲一郎さん(美川憲一さんではありません)を猛プッシュしている高良楽器もナイスですが、今回は国際通り沿いの高良レコードをご紹介します。

 国際通りといえば、那覇市のメインストリートで、修学旅行生やらナイスミドルのおばさん軍団やら、四六時中観光客で賑わっていて、その通り沿いなので、私も、お土産欲しさにSka Lovers のカバーCDを買おうと思って入ったところ、そのラインナップの幅広さにビックリ!


ミリオンヒットを飛ばすAKBと、FLiPが互角で(というか、若干FLiP推し気味)で展開されている所も、愛を感じますね~♪そりゃあ、メンバーも直筆で応援したくなるわ。 

 まずは、超充実の沖縄コーナー。最近は、どのCDショップも地元アーティストの応援コーナーを大きくしていて面白いのですが、高良レコードの地元占有率ははるか上をいきます。最近のアーティストでも、ロックからフォーク、民謡まで充実しているし、さらに懐かしの琉球音楽まで網羅していて、ジャンルの幅もその歴史の奥行きも広くて、それだけで物凄い包容力を感じさせます。沖縄って民謡でも新曲があるって、私、沖縄に行くまで知りませんでした。これって凄いことじゃないですか?なんか、それも先人を敬う心があるからこそなのかな~って勝手に思っています。


こちらネーネーズの21世紀版のような3人組サンサナーや、その昔、RVCレコードからデビューしていた中沢初絵さんの25周年アルバム『H』などが大々的に展開。オリコン200位圏外、300位圏外なんのその!高良のお客様がすべて!これぞ、高良の宝や~!(←彦摩呂風に)


こちら沖縄CDだけで300枚が試聴できるコーナー。(これだけでも凄い財産!)棚にある『ホームソング』もそうですが、沖縄に行くと、テイチク商品が、本土におけるエイベックス商品のように元気。

 また、意外なところでは、紙ジャケなど再発の復刻盤を洋楽、邦楽問わず網羅しているのもかなり目立っています。しかも、自分で三線とか弾いたり、もしくは外で開放的に遊んだりすることが多いせいか(空があんなに真っ青だと、その気持ちも分かります)、沖縄の人は物欲がさほどないのかと思うほど、貴重な初回盤や限定ジャケットも結構残っていて、私も買い逃したものが入手できて高良レコードのコレクター目線に感謝しました。ちなみに、DVD付は10%offと、これまたお客様目線で良いですよね。今の時代、DVD付をポイントも特典も無しで定価で買うのは、もはや物凄く勇気のいることになってしまったので。


こちら洋楽ロック・コーナー。背表紙が揃っている所が多いことからも網羅性の高いことがうかがえます。コレクターの方、“在庫処分セール”もお見逃しなく!


洋モノのフィギュアも販売。これ、洋楽がかかるような飲食店に置いてあると、オシャレで良いですよね。

 そして、ビジュアル系コーナーもかなり注力されていて面白いと思います。大都会では、それこそ1タイトルが数千枚レベルで売れる専門店にゴスロリな女子が集ったりしていますが、沖縄から行くのはさすがにキツイし、こういう所で大きな展開を見れるのは、ファンの子も嬉しいのではないでしょうか。


こちらビジュアル系コーナー。「LOTUS」といえば、大抵は“嵐の「Lotus」”ですが、ここではDir en grey推しです。


“演歌懐メロ祭”というPOPで、その上のポスターも映えますね!アルバムも充実しています。細かいツッコミですが、音楽ギフトカードをお持ちのお客様には、払い戻しも終了したので、もう告知しなくてよろしいかと…。 
 

 あと、沖縄関連のみならず、全国的に人気の演歌・歌謡曲・懐メロのコーナーも充実しており、更にそのコーナー前にある長イスもいいなと思いました。これからの季節、沖縄は歩くだけでも汗だくなので、こうやって休めるスペースがあるのは有難いことですし、大荷物を持って店内をウロウロしていたら、振り返った瞬間にディスプレイを破壊しかねないし(苦笑)、ここに置いておけば、じっくりと試聴なども楽しめると思います。こういう配慮から、お店の良心を感じますよね。


演歌コーナーのみならず、昭和以前の流行歌を網羅したこちらのコーナーも素敵。ついでに、ダンボールで作ったコーナーのPOPも良い味出してますね♪


こちらが座れるスペース。重い荷物も置けます。床の色とのコントラストも抜群ですね。
 

 次に最新のアルバムチャートを見てみましょう。

高良レコード店 アルバムTOP10(2011/5/30~6/5)
順位 作品名 アーティスト名
1 一粒の種のアルバム 砂川恵理歌
2 LIFE 6 SENSE UVERworld
3 演歌名曲コレクション(14)
~あの娘と野菊と渡し舟~
氷川きよし
4 未知evolution FLiP
5 ビギンの島唄 オモトタケオ3 BEGIN
6 UNICORN
7 VOCALIST & BALLADE BEST 徳永英明
8 ジブリんちゅ DJ SASA
with ISLAND SOULS
9 Checkmate! 安室奈美恵
10 GIRLS’ GENERATION 少女時代

 まず1位は、実話に基づいて作られその感動的なエピソードが県内のみならず、全国的にも話題となった「一粒の種」や、古謝美佐子の名曲「童神」が収録された砂川さんの1stアルバム。そして、4位は、沖縄出身の4人組ガールズバンドFLiP、5位はその対極となる(微笑)おっちゃんバンドの島唄(特に「パーマ屋ゆんた」と「金網移民」が泣けます。詳しくはコチラ)が半年以上のロングヒット、さらにジブリ音楽をオキナワン・テイストでカバーした『ジブリんちゅ』が8位、そして沖縄が生んだ巨星・安室ちゃんが、2ヶ月近くもTOP10入りと、さすが地元愛にあふれた沖縄!独特なチャートになっています。ちなみに、シングル1位も沖縄在住バンド、オズの2ndシングル「ディスコレーション」。また、ビジュアル系ではないけれど、ビジュアル系ファンにも人気のUVERworldがアルバム2位、演歌の氷川きよしも全国チャート5位に対して、アルバム3位と、お店がお客さんと一緒に作ったチャートという感じが出ていて、見事だな~と、これだけでも尊敬しちゃいます。最後に、店長の高良雅弘さんよりオススメ作品のコメントをいただきました。

クイーン『ジャズ』 

 クイーンが80年代にシンセを大幅に導入したディスコサウンドに変貌を遂げる前の70年代の総決算的なアルバムです。アルバムタイトルもとぼけていますが、オープニング曲「ムスターファ」のアラブ風サウンドから、サザンロックばりのブ厚いコーラスで始まる「ファットボトムド・ガールズ」おもちゃ箱をひっくり返したような「バイシクルレース」、CMでもおなじみ「ドント・ストップ・ミー・ナウ」など、大作こそありませんが様々な音楽性と各メンバーの個性が丸出しになった飽きることのない傑作だと思います。
今年40周年ということで、いよいよ発売となる最新デジタルリマスター盤がどのような音で出てくるか非常に楽しみです。

 高良店長が高校生の時によく聴いていたというアルバムが、6月22日に再発売されるので、今回ご紹介いただきました。30年以上経っても、その感動をしっかりアピールできるというのが、高良レコードの音楽愛の原点のようにも感じられ、また棚のラインナップやランキングを見て確信いたしました。またお邪魔させて下さ~い♪

つのはず・まこと。1968年京都府出身。理学部修了→化学会社勤務という理系人生を経て、97年に何を思ったか(笑)音楽関係の広告代理店に転職。以降、様々な音楽作品に携わり、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、本業で音楽分析やCD企画をする傍ら、日経エンタテインメント!、共同通信、歌ネットなどでも愛と情熱に満ちた連載を執筆中。Twitterは@t2umusic。コンピ史上初(大げさ(笑))の“オリジナル歌手によるセルフカバー集”の男性編『PORTRAIT BLUE』 女性編『PORTRAIT RED』が、ついに発売となりました。私の企画したコンピって、『エンカのチカラ』も『COVER WHITE&RED』も、その他も、首都圏ではアッサリした売上ですが(苦笑)、全国のお店で万遍なく売れるものが多いのです。きっと内容をじっくりと吟味して下さるお店が多いのだと思います。有難うございます。今回もどうぞ宜しくお願いいたします♪