全国のスゴいお店を紹介していく「つのはず誠の“元気が出る＜CD＞ショップ”」。第40回は、島根県松江市の今井書店グループセンター店STUDIO WONDER（さん、以下敬称を省略します）をご紹介します。

　正直に告白します。私は、“日本全国津々浦々回っている”みたいな触れ込みで執筆してまいりましたが、実は、昨年末まで行かずに残していたのが鳥取県と島根県なのです。いえ、別に鳥取県と島根県が左右どちらか混同していたのではなく（それは宮崎吐夢の歌で覚えました）、単に立ち寄るルートが山陰にはなかなかなかっただけなのです。しかし、実際に行ってみると、この今井書店は実にユニーク、まさに“WONDER”な世界！今回ご紹介するSTUDIO WONDER以外でも、お隣の米子市には「今井書店　本の学校」があるし（お店なのに“学校”なのです。でもとてもファミリア！）、同じ松江市の松江駅近くのイオンにある「スタジオワンダー　イオン松江店」(名前ちょっとややこしい。。。)は、女性スタッフの方が、幅広い女性客に全幅の信頼を得ていそうなお店ですが、松江駅から自転車で25分ほど南下した郊外型のグループセンター店は、とにかくヒットもノンヒットも自由きままな展開で面白かったです。ぶっちゃけた話、経営者の方の懐の広さを感じました。

　例えば、下のダンス・ミュージック・コーナーも、チャートの上辺だけ見ていたら分からないタイトルが多いかもしれませんが、実はロングセラーが多い。また、DJ Mitsu the Beatsのように、実力派として定評のあるアーティストも全国チャートと関係なく大きく展開。さらに、グループで半年間というロングセラーとなっているイタリア人ピアニストのインストなんて、お店でかかっていれば、確かに聴いてみたくなりそう。提案型のお店って、地方にだって多いのです。ちなみに、私が企画した東北地方と生協の限定販売みたいな売れ方の（苦笑、えぇ、普通に買えるのですが、売れ方が局所的なのです（爆））>『LIGHTS OF LIFE～明日のために』を面陳&手書き説明付きで、西日本ではここで初めて見ました！！勿論、大きな郊外店なのでメガヒットも盛りだくさんですが、こうしたマイナーなエッジの効いた作品もあってそのバランスが嬉しい！

こちら、ダンス・ミュージック・コーナー。全国チャートでは決して上位ではないけれど、中ランクでロングヒットしている作品が多数。STUDIO WONDERのような元気なお店が支えていることをあらためて実感。

こちら、DJ Mitsu the Beatsの新作。オリコンで300位圏外だとしても、質の高い自信のある作品をプッシュされる姿勢はさすがです。

ファブリツィオ・パテルリーニという方のピアノ作品集。昨年の11月以来、ロングセラーだそうです。まさにお店のチカラですね！

　そして、こちらのお店、DVD、それもBOXが本当に充実しているなぁ～と驚きました。しかも、不良在庫という感じではなく、ちゃんと回転しているのが読み取れます。ポイントカードがお得だからか、他店や書籍にも使えるから人気なのか分かりませんが、とにかくネット通販隆盛前のように賑やかです。そして、下のDVDの展開も本格的ですよね。ちなみに、月曜日に行くと、「現在、明日発売の○○の準備中です。どうぞお楽しみに！」って、コーナーにセリフを言わせて、それを見たお客様とコミュニケーションを取っているのですよ！これもちょっとビックリ。普通、ヒマな月曜日のうちにって、スタッフさんが新譜の準備を無造作にして放置気味なお店も多いなかで、その準備段階からもしっかり、しかも丁寧に告知するって凄いなぁ、人を見ているなぁ～って感動しました。

こちら『西部警察』のBOXコーナー。うわぁ～、これPOPを万引きする人（←ダメ！絶対。舘ひろしに撃たれるよ！）がいそう。ネット通販に対抗して、POPを購入特典にしても良さそうほど（笑）。

映像ソフト『三銃士』の展開。スペースから飛び出るほどのスケール感だとPOPだけでもワクワクします。

他のリアルショップに比べ、アニメのDVDが大量に置いてある充実のコーナー。ちなみに、現在、島根県内にはアニメイトがありません（一番近いのは鳥取県米子市）。

こちらアニメ関連のコーナー。ちなみに、MEGは、キングレコード移籍第1弾で、アニソン・カバー集といいつつ、うしろゆびの「バナナの涙」とかユーミンの「ルージュの伝言」とか、TMの「Still Love Her (失われた風景)」(←これ、すごく好き。2階建てのバスをこの歌で知りました)とか、かなりJ-POP寄りで、アニメファン以外も聞きやすいです。

　さらに、キッズCD&DVDコーナーには、「キャラ弁セット」も！確かに、ここは若い家族連れが非常に多いお店なので、これはツボかも。その一方で、70年代・80年代から活躍するシンガーソングライターやアイドルのCDも充実。そして、氷川きよしの「きよしんぶん」（フリーペーパー）も1本ずつ筒状にして置いてあり、フリーペーパーながらその価値観を高めているようでした。トドメに、隣の“レンタル”コーナーにまで『CDショップ大賞』受賞作の詳細な説明が！ちょ、ちょっと丁寧すぎ・・・（できれば買っていただきたいけれど、まずは入口を広げるのも大事ですよね）。次に、アルバム・チャートを見てみましょう。

こちら昭和時代から活躍する各種アイドルのコーナー。早見優の30周年ベスト（BOX以外では初のシングル・コンプリート、こちらも拙者が企画）も面陳して下さいね（微笑）。

こちら大人のシンガーを集めたコーナーなんですが、POP内の一青窈とつるの剛士のバランスが、まるで昭和の任侠映画みたいでナイスです！！

こちらは洋楽のナツメロ・コーナーなんですが、1枚ずつに分かりやすい解説を読みやすい大きさの字で（老眼対策重要！）書かれていて、見ているだけでタイムスリップできます。

　5位に、ミスチルの10年前のベストがランクイン。これも新作との並列が奏功していますよね。そして、CDショップ店員に大人気のandymoriもしっかり7位、PUSHIMのレゲエカバー（この「瑠璃色の地球」、目からウロコです！）が9位、そして松江市出身の女性シンガーソングライターの山根さんが10位。鳥取・島根で突出して売れていると思ったら、ちゃんと本気な応援があったからなんだと実感。最後に、同店の店長の窪田修二さんからオススメの作品についてコメントをいただきました。

マイケル・キワヌカ ／『Home Again』 　（輸入盤）

　ダニーハサウェイ、スティーヴィーワンダー、ヴァンモリソン、ハースマルティネス級の才能をもった超大型新人です！あのアデルのライヴサポートも務めて本国ＵＫでは２０１２年もっとも期待される新人として注目度Ｎｏ．１!なんといってもハートウォームで素朴な歌が魅力で、ソウル・シンガーというよりロック系のシンガーソングライター的な趣。単なるレトロソウルでは終わらない深さが心地良いです！

こちらが、イチオシのマイケル・キワヌカ。そこら中に「！」マークで推薦されている点や、カタカナ表記で推薦されている所から、本当に広く聞いてほしいという姿勢がありありとしています！！

こちらクラシックのカタログ・コーナー。レーベル面が綺麗に揃っている所で、安心感がありますよね。

私が大好物な（笑）女性ボーカリスト・コーナー。井手綾香を80年代の五輪真弓ばりに、大きく切り抜いたインパクトがグーです♪

　とにかく、こちらのお店、単にデカいというのではなく、お店のそこかしこにホスピタリティーを感じさせました。まるで、平林都（あるいは須真林都）先生がこちらに来られたのではないかと思うほど。でも、それも堅苦しくなくて、音楽って、映画ってこんなに楽しいよ！って雰囲気が自然に出ていて良い感じで、とっても元気になりました。またお邪魔させて下さ～い♪