第44回 TIME CLIP渋川中央店さん

全国のスゴいお店を紹介していく「つのはず誠の“元気が出る<CD>ショップ”」。第44回は、群馬県渋川市の文真堂書店グループのTIME CLIP渋川中央店 (さん、以下敬称を省略します)をご紹介します。

 TIME CLIP渋川中央店は、県内の中心地高崎駅から30分弱上越線に乗って渋川駅から市役所通りを歩いて10分ほどの所にある複合店なんですが、文真堂全体で書籍やゲームのほかに文具、雑貨なども沢山置いてある為か、はたまた通学路に多いためか(いえ、調べてはいませんよ)、お店の雰囲気が中高生に人気のありそうな感じなんです。

 そんな中で音楽・映像ソフトも置いてあるので、全体に音楽コアファン以外にも凄く分かりやすい作りになっていると感じました。例えば、SEKAI NO OWARIとか一部の音楽番組にしかまだ出ていなくても、このキラキラな展開を見れば、こんな音楽が聴けるのかも、と試聴してみたくなりますよね。また、ここでも、ももクロは最大級の展開。握手券はある種の発明で見事とは思いますが、それがなくてもロングヒットするアイドルも生まれるというのは喜ばしいことです。


音に映像にPOPにCD実物にと、実に多面的に展開されている桑田佳祐コーナー。


SEKAI NO OWARIの飾り付けは、まるでクリスマス商戦まで取っておけそうなほど綺麗です!


ももいろクローバーZは、旧譜や単行本を揃えつつ、さらにオリジナルのキャラクター(左手前)まで作成するという力の入れっぷり。このお店では、まるでAKBですなぁ~。(成長したとしみじみ・・・。)

 そして、北関東と言えば、やはりヤンキー・ミュージックなイメージがありますが、実際にはまぁ、その方達が好みそうな泣け歌系歌姫や、その周辺を上手く集めたノン・ストップ・ミックスのほかに、暑い夏のドライブに欠かせないキマグレンや、涼しい夏のお供にしたい『COFFEE BREAK JAZZ』もあって、想像以上に幅広いラインナップとなっています。ともあれ、車で聞きたい音楽が都心で考えている以上に多いので、この辺はやっぱりクルマ社会だなぁ~って思います。


MAY’Sは、元々この地域に強い音楽性に加えボーカルの片桐舞子が同県(桐生市)出身ということもあって、県内で猛プッシュされています。確かにもっと売れてもいい良質なボーカリスト。


うわぁ~、mix CDは試聴コーナーも面陳っぷりもかなり本格的。地方でオムニバスと言えば、この辺が大人気なんですよね~。レジに運んでいく姿、本当によくみかけますもん。


キマグレンのホームグラウンドは真逆の逗子ですが、これを聞けばはるばる群馬から海に出かけなくても、気分爽快!


空前の大ヒットとなっている『COFEE BREAK JAZZ』コーナー。マグカップやネコちゃんのイラストが、より雰囲気を作っていますよね~。

 さらに、注目なのがK-POP、とりわけ男性K-POPにかなり注力されているところでしょうか。特に、ここ渋川中央店は、切り抜きが上手!きっと、熱烈なK-POP LOVERがいらっしゃるのではと思います。この展開一つでも愛情の有無が分かりますよね~。写真は割愛しましたが、チャン・グンソクの展開もなかなか派手になっています。

 また、ロック系もラウドなものからビジュアルまで一通り揃っています。多分、一部の書店複合型チェーン店が、セル・コーナーを止めてしまったり、それこそ桑田佳祐やミスチルクラスしか販売しなかったりのイメージがある為か、「複合店って面白くないよね~」という意見をよく耳にするのですが、TIME CLIPはすごく楽しさが出ているし、ここに通う地元のティーンエイジャーは幸せだな~と思いました。

 次に、アルバム・ランキングを見てみます。


男性K-POPは、アーティスト写真の切り抜きに愛情を感じさせます。


日本デビュー前のK-POPの中でもかなり注目を浴びている金髪男性グループB.A.Pを、いち早く紹介。


このラウド系の品揃えは書店複合型のお店としてはトップクラスではないでしょうか。(他にもビジュアル系もしっかり紹介)

文真堂書店 アルバムTOP10 (2012/7/12~7/18)
順位 作品名 アーティスト名
1 I LOVE YOU -now&forever- 桑田佳祐
2 ENTERTAINMENT SEKAI NO OWARI
3 MASH UP THE WORLD MAN WITH A MISSION
4 I AM GILLE. GILLE
5 Uncontrolled 安室奈美恵
6 歌うたいが歌うたいに来て
歌うたえと言うが
歌うたいが歌うたうだけうたい切れば
歌うたうけれども 歌うたいだけ
歌うたい切れないから 歌うたわぬ!?
GReeeeN
7 WONDERFUL WORLD Rake
8 VOICE 199X 青木隆治
9 VISION The Birthday
10 THE REBIRTH BEST~再会~ PRINCESS PRINCESS

 J-LOUDコーナーの大きな展開が奏功してか、3位にCDショップ大賞でも入賞歴のある“顔は狼、体は人間”のMAN WITH A MISSION、そしてGILLEやRakeといった聞き心地の良いボーカルの男女アーティストがそれぞれ4位、7位とオリコンよりもかなり上位入りしています。GReeeeNもちょっと強めだし、やっぱり、この辺りもドライブの必需品ということでしょうか。最後に、同店のCDご担当、大塚さんに、お店のイチオシ作品についてコメントをいただきました。(調整にご協力いただいた商品部の木村さんも有難うございました!)

BIGBANG /『ALIVE –MONSTER EDITION-』

この夏オススメの暑さをぶっとばす1枚!

1曲目からテンションあがりまくり。

2曲目のモンスターでドラマティックな気分になり、

3曲目でまたまたテンション最高潮!

4曲目でせつな~い気分になりつつ、

5曲目からはまた踊りたくなり、最後の「HaruHaru」まで一気に聴けますよ!

クールすぎて倒れちゃいそう。個人的には4曲目「BLUE」が大好きです。


BIGBANGの特集コーナー。メンバーごとの紹介や過去作品の陳列など、初心者にも優しいです。ケータイ&スマホ世代にファンが多いアーティストって、このお店での大きさが活きそうですね♪


こちらがお店の推薦盤。メンバー写真のPOP前で撮影するなど、カメラマンのセンス抜群!


『こびとづかん』もキモカワっぷりがしっかりアピールされています。これも、こうしたお店あってのロングセラーなんですよね~。


予約コーナーは、miwaやSCANDALなどアーティストのサインが賑やか。これは、文真堂は悪くないのですが、アーティストの人たちは、もう少し各地域の特性を考えてコメントした方が良い。お店の名前だけ入れ替えたら、どこにでも通じるなんて切ないじゃん。(○○に行ってきました、系のお土産みたい)←かつて自分も、所属するアーティストがメーカーのアー担から販促経由のコメントカードを託され書いているのを横で眺めていた事何度もありますが、販促担当がお店に対するアーティスト側の機微が解っていれば、このお店は君のためにこんな展開していた、とか、このお店はこういう層が多いとかの情報呉れるので、アーティストもおざなりにならず、一店一店考慮してそれぞれのお店のお客様に届くメッセージが書けるのですが、(基本的にアーティスト個人はお店を最も大事に思っているケースが多いと思います)移動中のほんの僅かな時間にいきなり50枚渡されて早く早くとせかされればなおざりになってしまうでしょうね。販促はもっとアーティストの事を身内として考えるべきだし、マネージメントはアーティストにメーカーの販促の重要性をもっと説くべきだと思いますね。(談:事務局長)

 BGBANGって、他のK-POP勢よりも1年早く日本で流行った為か、実力の割にメチャクチャ売れているという感じはないのですが、こちらのお店はだからこそ懸命にプッシュされているような気がします。他のアーティストとは、愛情のかけ方が違うように見えるので(微笑)。でも、こういう状況がある一方で、会場限定とか公式サイト限定で高額プレミアCDを販売するK-POPアーティストもいるんですよね、最近。つまり、「近くのお店がキッカケでファンになったけど、そのお店には限定商品がないからネットやイベント会場で買う」なんてお客様も多いと思うのです。なんか、これって、言い方悪いけど、わざと貧乏クジ引かせてやいないかと・・・。お店でしか出せないスター性ってあるのだし、やっぱりこういう素晴らしいお店をもっと紹介していければ、といっそう思いました。またお邪魔させて下さ~い♪

つのはず・まこと。1968年京都府出身。地元国立大学理学部修了→化学会社勤務という理系人生を経て、97年に何を思ったか(笑)音楽関係の広告代理店に転職。以降、様々な音楽作品に携わり、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、本業で音楽分析やCD企画をする傍ら、日経エンタテインメント!、共同通信、歌ネット、OKMusicなどでも愛と情熱に満ちた連載を執筆中。Twitterは@t2umusic
 ほぼすべてのショップで超ロングヒットとなっている天童よしみのシングルですが、なんとヨシミちゃん、8/1に芸能生活40周年記念で、ロケンロー・アルバム『炎のよ・し・み』(←ナカグロのタメ方がちょっとセクシー(笑))をリリースします。しかも、同日には、赤坂BLITZでコブシ排除の、いやコブシを(握り)こぶしに変えたロック・ショーをなさいます。いつも、シングル10万枚ヒットをコンスタントに飛ばしている為、お店的にはかえって面白味が欠けるように思われがち(失礼)ですが、時々こういったクレイジーな企画をして下さるから、テイチクの演歌部署は見逃せません。ちなみに、昨年、私がツボった彼女のシングルは「パンの耳」。普通、これを歌の題材にします??もう、マジ、リスペクトです!