全国のスゴいお店を紹介していく「つのはず誠の“元気が出る＜CD＞ショップ”」。第48回は、福岡県久留米市に本社のあるBOOKSあんとく三潴（みずま）店（さん、以下敬称を省略します）をご紹介します。

　これまで、福岡市にも佐賀市にも熊本市にも行ったことがあるのに、しかも、博多からわざわざ西鉄の特急に乗ってより遠方の柳川でせいろ蒸しを食べたこともあるのに、なかなか訪れることのなかった久留米市。しかし、人口30万人にして、中村八大先生はじめ、松田聖子、鮎川誠、チェッカーズ、シドのボーカル・マオ、今年デビューの家入レオちゃんなどなど、尋常ならぬアーティスト人口密度のこの街は、前々から気になっており、私も音楽で生活しているならば！と、今回訪れることにしました～。

ビジョン、ポスター、イラストの切り抜き、アーティスト写真、曲目一覧とオールアラウンド！

発売告知を、印刷物に任せず、手書きで補強。それにしても、コブクロのイラスト、多くないですか？（笑）

彼らってボール紙や淡い写真で展開しても、気さくな感じで良いですね。

AKBだって、切り貼りとボール紙で勝負！“涙”部分は水色なんですね（演出が細かい！）。

　久留米市は、西鉄久留米駅を中心とした繁華街もさほど中心という感じがないし（ただし、駅前にあったカセット中心の演歌店は、ミスチルベストなど初回盤ハンターは要チェック（微笑））、九州新幹線が開通したとはいえJR久留米駅はまだ発展途上だし、さりとて他の都市のように郊外に商業地が集中している様子もないし、ある意味ニュートラルな雰囲気を感じました。

　こちら三潴店も久留米駅から10kmほど離れていて、辺りはのどかなんですが、店内は音楽がガンガンかかっていたり、お店のディスプレイが多かったりと賑やかです。CDセル&レンタルは２Fにあるのですが、特に目立つのが、ボール紙での商品紹介！今回の写真にはありませんが、長期的に復興支援テーマソングの「花は咲く」もボール紙で紹介されていて、その作品性も相まって、凄くハートフルに見えました。

他店ではスマートな印刷物で見せがちなDVDだって、手書きで攻めます！リンゴのアクセントが、ダーティーな雰囲気を緩和していてナイスですね。

『こびとづかん』のキモ可愛さが夢に出てきそうなほど印象的な展開。

達郎さんまで『こびと』さながらに大量増殖中～。このセンス、イケてます！手書きのイラストは、オフィシャルよりもなぜかイケメン。

　また、とにかくイラストを増殖させている点もこうして見ると圧巻!!なんだか捨てるのも忍びないので、展開終了後、しおり用にお客様に差し上げてみてはいかがでしょうか（笑）。でも、どのお店もそうですが、CDの展開って立体的な構図や、コメント文のデザインなど、様々なセンスが問われる仕事ですよね～。そんな難しいことを、日常的に当たり前のようにこなしておられる店員の皆さん、本当に凄いな～とあらためて思いました。昨今、撮影しては“何でも人に紹介したガール”が増殖している時代ですし、三潴店のように奇抜なものも一つの戦略として大有りじゃないかと思います！次に、アルバムTOP10を見てみます。

やっぱりありますシェネル・コーナー。プロモーションも長期だし、平台展開から外せませんね。

そして、こちらもロングセラー化してきたGILLE。本人露出も増えてきたので、そろそろ影絵から実写にしてみると、変化があって楽しいかも♪

ボーカロイドはランキング形式で分かりやすい！確かに、これが出来る程、沢山出ていますし、こうやって並べると壮観です。

『トム＆ジェリー』の展開写真。『みんなでみようよ！』は印刷よりも、手書きの方が目を引きますね！

　オリコンでは圧倒的に強いコブクロを差し置いて、こちらの1位は西野カナ。 “さて、今度の曲は、何回「会いたい」が出てくるでしょう？”なんてクイズが流行りそうなほど、とかくネット上では揶揄されがちなカナヤンですが、東京以外では断然強さを発揮しています！実際、セールスも前作アルバム比90%台半ばで、市場の落ち込みと相対的に見れば、むしろ伸びているほど。確かに、ここ1年は曲調が明るかったり、強かったりと新機軸を打ち出して、それぞれヒットさせているのだから大したものですよね。

　そして、5位、6位にヒップホップやR&Bが上位入りしているのも、郊外店ならでは。特に、三潴店近くの柳川県道って、都市間を結ぶ重要な道路ゆえ、道幅の割に交通量が多く、ちょっとストレスを感じそうなので、尚更こういった音楽で気分よく走りたいかも～。シングル8位に、織田裕二の♪サムバディトゥナイ！～こと『Love Somebody「完全盤」』（全12曲「Love Somebody」）がランクインしているので、きっとそのはず！（ついでに、同一曲14バージョン収録の「愛のメモリー（35周年エディション）」も置いて下さい～（笑）。）最後に、セルCD担当の伊藤さんにオススメ作品のコメントをいただきました。

家入レオ 「Bless you」

福岡県久留米市出身！

歌手を目指して単身上京して、1年余りで、人気アーティストの仲間入りを果たした彼女。

華奢な身体から放たれる歌声は、想像以上にパワフルで、自信に満ちあふれ、

威風堂々たりえます！表題曲では、”愛なんて祈る価値ない！〝と力強く歌い切り、

それでいて「イジワルな神様」では友を思う優しさを込めた可愛らしい1曲。

17歳でこのクオリティ、良い意味で末恐ろしいです。

レオちゃんも例によってボール紙で応援。幾何学的な色紙の配置も良いセンス。

こちらは稼ぎ頭の西野カナ・・・それにしてもスタッフさん、増殖させるの好きね（微笑）。

オルタナ系のAIR SWELLと4年前の『閃光ライオット』ファイナリストのN.O.B.U。この2アーティストで、こんなに大きく愛のある（ここ重要）POP、初めて見ました！

こちらのお客さまが大好物と思われるBROWN SUGARも大々的に展開。“最高に気持ちいいアルバム”の文字が、いかにも気持ち良さそう。（姐さん達も増殖しています♪）

　やっぱり推しましたか、家入レオ！街を挙げて本気で応援するぞ！っていうのを見ると、本当に心が温まります。お店からいただいたメールにも、“他店様に比べるとまだまだですが、スタッフ一丸となって頑張っています”なんてメッセージも寄せられていて、 “心”を介する場所を作ろうとされているのがよく分かりますし、またそういった場所は音楽に似合うなとあらためて学んだ気がします！またお邪魔させて下さ～い♪