- 第10回
- 清 竜人

今の自分へと続く、あの頃の自分が初めて買ったレコード。そして初めて足を運んだレコードショップ。どんなアーティストにもある“原点”を探る、『マイファーストレコード』。今回、『ポリリズム』で空前の大ブレイクを果たしたPerfumeが第四回目に登場! 若いながらも長い下積みの間に努力を重ねてきた彼女たち。インディーズ時代も含めると相当な数のCDショップでインストアイベントを経験しているのだ。それだけにCDショップにはかなりの思い入れがあるようで……!?
撮影 渡辺誠 文 梅原加奈 編集 朴順梨

- RIP SLYME
- 「TOKYO CLASSIC」
樫野有香(以下、かしゆか)「Perfumeは、3人とも広島出身です。なので、初めて行ったCD屋さんも、もちろん広島だと思うんですけど、いつなのかは覚えてないなぁ。……うーん、いちばん古い記憶は、小学校のときかな。フタバ図書って分かりますか? フタバ図書は、CDのレンタルと販売をどちらもやっていて。家族がビデオやCDを借りに行くのに、よくついて行っていました。試聴機がすごく楽しくて、お店でずっと聴いていたのを覚えています」
大本彩乃(以下、のっち)「初めて自分でCDを買ったのは、広島の駅ビルにあった新星堂。広島でCDを買うと言ったら、このお店でしたね。買ったのは、KICK THE CAN CREWさんの『クリスマス・イブRap』。あとは、RIP SLYMEさんの『TOKYO CLASSIC』も想い出に残っています。スクールに行く途中に、ワクワクしながら買いに行きました」
西脇綾香(以下、あ〜ちゃん)「いちばん最初に行ったCD屋さんは私もレンタル屋さん。フタバだったと思います。広島では、本当にフタバが主流なんですよ! 最初に自分で買ったのは、小学校2年生のとき。SPEEDさんのCDとか安室(奈美恵)さんのCDを買いました」
アクターズスクール広島の第1期生としてレッスンを積んでいた彼女たちにとって、当時、音楽とは“聴いて楽しむもの”というより、ダンスや歌の教材として、とにかく聴き込んでいくものだったと言う。
かしゆか「だから小学生のころは、(沖縄アクターズスクールの)B.B.WAVESさんのシングル"LOVE & SMILE!!"をすごく聴いてたよね」
あ~ちゃん「小学校3年生とか4年生のころです。まだ8cmの細長いシングルだったとき。B.B.WAVESさんがすごい人気があって、アクターズスクールが有名になりはじめたころです。B.B.WAVESさんがやっている番組が深夜2時半とかに放送されていて。起きていられないから、お母さんにビデオに録画してもらって観ていました。私のあこがれの存在で、広島のスクールに入ったのもそれがきっかけぐらいです。」
のっち「広島にいたころは、音楽を聴いて何か影響を受けるというよりは、この曲を練習して発表会で歌いたいとか、そういう感じで聴いていたよね。自分の音楽性を磨くとか、そういうことじゃなかった気がします」
あ~ちゃん「そうだね。スクールでの課題曲とか、スクールでの発表会の曲とか、そういう捉え方。その曲が、良いとか悪いとかよりも“やらなくちゃいけないからやる!”みたいな。おぼえるためにCDを買いに行っていました。だから、自分のCDラックに並んでいるCDはすっごいジャンルがバラバラなんですよ」
それから3人は2003年、春に上京。東京にやってきてからは、音楽の聴き方も自由になった。CDショップでみつけたお気に入りの1枚をお互いに教え合うこともあるのだとか。
かしゆか「東京にきてからは、一人でCD屋さんによく行くようになりましたね。私は、タワレコ派(笑)。お店の雰囲気がすごく好きなんです!」
のっち「決まったお店はないんですけど、HMVのカードはゴールドカードです! だから一番、よく行っているのかも。お店に行って、自分たちのポップとかみつけるとうれしいですよね。きっとPerfumeのことが好きな店員さんが書いてくれているんだろうなって思うし」
かしゆか「お店によって書き方が違うのも面白い。写真を使ったり、すごく大掛かりなものもあったりして。CD屋さんで自分たちのポップをみつけたら、くまなく読みますね」
そう語る彼女たちに第1回POP大喜利で選ばれた『GAME』のPOP優秀作品を実際にみてもらった!「うわ〜!!!! すごい!!!」と歓声と共に、3人一緒になって黙々とPOPをチェックしはじめる……。
かしゆか「こういう熱いコメントうれしいですね。自分はこう聴いています!みたいなその人なりのコメント読むと、本当にちゃんと聴いてくれているんだなって、ありがたいなって思います」
あ~ちゃん「……このコメント、面白い〜(笑)」
(3人揃ってひとしきり爆笑しながら、熟読)
のっち「本当、じっくり読んでしまいますね。毎回楽しみですから。次はどんな風に書いてくれるんだろうって。」
かしゆか「地方に行って時間があるとCD屋さんに3人で行くこともありますよ。POPチェックしたくて(笑)」
あ~ちゃん「以前に、新宿のタワレコさんですごく大きくPOPを展開してくれたことがあって、それがすごくうれしかったのをおぼえています。東南口のお店で、インストアイベントもやったんですけど、そのときから、急にファンの方にかっこいい男性が増えたんですよ(笑)」
かしゆか「オシャレ男子がね(笑)」
あ~ちゃん「そうそう。ヘッドフォンに黒ブチメガネみたいなね。音楽好きの方がきてくれるようになった、きっかけのイベントで。その時、Perfumeの音楽を認めてもらえたんだなって、うれしかったです」
「熱いPOPうれしいです。ホントありがたいなって思います」
CDショップのインストアイベントを数多くこなし、成長してきた彼女たち。インディーズ時代からずっと応援してきてくれたお店もある。だからこそ、彼女たちにとってCDショップとは、かけがえのない想い出の場所なのだ。
あ~ちゃん「ありますね~。想い出たくさん!!たとえば、インディーズのころからお世話になっている名古屋のソフマップのナディアパーク店さん。このお店では、壁にサインができるんです。そこに毎回、サインと一緒に目標を書いているんですけど、それがどんどん叶っているんですよ!!“20位以内に入る!”と書いたら『ポリリズム』が7位になって。次は“5位以内”と書いたら『Baby cruising Love』が3位に入って。次は“1位を目指します!”と書いてアルバム『GAME』で1位になれて。書いたら叶うみたいなジンクスが自分たちの中にある場所なんです。このお店に帰ると、インディーズの頃から応援していた方もたくさん来てくれるし。大事な場所ですね」
かしゆか「インストアイベントは直接ファンの方と会えるから楽しいですね。同じお店でイベントを何回かやっているうちに、だんだんと握手会の人数が増えていって……。そういうことがあると、すごくうれしいなって思う」
のっち「インディーズ時代には、シングルのリリース記念で全国のCD屋さんをまわったこともありました。すっごく狭いステージで無理矢理踊ったこともあったし、お客さんが1人しかいないこともあった(笑)。でも、どれも今となっては、全部楽しい想い出。これからもインストアイベントは、どんどんやっていきたいですね!」
Perfumeのジンクスを生み出したCDショップがあると聞いたからには、そのお店をチェックせずにはいられない! と名古屋にあるソフマップ ナディアパーク店さんに“Perfumeのサイン、見せて!”と行ってきました。レポートの模様はこちらからどうぞ!






