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アーティストの音楽との出会い!My First Record 第9回 THE BAWDIES ルーツミュージックという土台があるからこそ、ぶれないオリジナリティ。

あのアーティストが、生まれて初めてレコードのこと、CDショップとの思い出、エピソードなどを語ってくれます。

「THIS IS MY STORY」で、第二回CDショップ大賞に輝いたTHE BAWDIES。「それぞれの親が自分の親みたい。遊びに行った先で息子が寝てても、親と一緒に食事できるし、冷蔵庫も開けられる」と口を揃えて言うほどの仲良し4人組が登場! 学生時代からルーツミュージックという絆で結ばれてきた彼らが、初めて手にした作品とは? 

撮影:渡辺 誠 文:朴 順梨

Hi-STANDARD『LAST OF SUNNY DAY』
Hi-STANDARD
「LAST OF SUNNY DAY」

ROY(以下、R):「初めて買ったCDですか? 中学のときに先輩からHi-STANDARDの『LAST OF SUNNY DAY』を聴かされたんですけど、ドラマの主題歌とか、テレビから流れる音楽を聴くぐらいの自分が今まで知っていた日本の音楽とは全然違ったので、びっくりしたんですよ。それをきっかけに、自分から音楽を探しに行くようになりました」

レッド・ツェッペリン『Ⅳ』
レッド・ツェッペリン
「Ⅳ」

JIM(以下、J):「当時はモー娘。が流行ってたよね。でもうちの学校は個性を尊重する校風だったから、周りはメロコアとか、洋楽を聴いている人が多かった。自分は中学のときにギターを始めたんですけど、「ギターといえば」と思って、レッド・ツェッペリンの『Ⅳ』を買いました。一緒にタブ譜も買って、当然初めて弾いたのは『天国への階段』。やっぱり今でも好きですね」

ジミ・ヘンドリックス『ARE YOU EXPERIENCED?』
ジミ・ヘンドリックス
「ARE YOU EXPERIENCED?」
ジミ・ヘンドリックス『ELECTRIC LADYLAND』
ジミ・ヘンドリックス
「ELECTRIC LADYLAND」

TAXMAN(以下、T):「僕は親の影響なんですけど、ベンチャーズを聴いてました。オヤジがギターを弾いていたのもあって、ベンチャーズみたいなギターを弾きたいなと。その当時からシンプルな音が好きだったんでしょうね。でも中学生のときに初めて自分で買ったのは、ジミ・ヘンドリックス。すごい衝撃を受けて、それからギターを真剣にやりたいなって思うようになったんです。そのときは『ARE YOU EXPERIENCED?』『ELECTRIC LADYLAND』を同時に買ったんです。その日は雪なのになぜか張り切ってて。階段でこけて、ケースが割れたんです(笑)。中身は無事でしたけど、結構ヘコみました(笑)」

Hi-STANDARD『グローイング・アップ』
Hi-STANDARD
「グローイング・アップ」

MARCY(以下、M):「僕は、なんだったかな……。中2ぐらいのときに、いろんなバンドの曲が入っているカセットが友だちから回ってきて。その中でカッコいいなと思ったHi-STANDARDの、『グローイング・アップ』だったと思います。町田のディスクユニオンで買ったんですよ」

今でもCDショップ通いを欠かさないという彼ら。THE BAWDIESを結成するに至った場所も、なんとCDショップなのだそうだ。

R:「学生時代は意味もなく、町田のディスクユニオンにいたよな」

T:「今でも下北沢のディスクユニオンと、新宿ソウル/ブルース館にはしょっちゅう行ってる」

R:「THE BAWDIESが結成された場所は、渋谷のタワーレコードなんですよ。高2の終わりか高3の始め頃なんですけど、4人とも部活もクラスも一緒だったんです。で、あるとき僕とJIMがタワレコに行ったら、60年代に活躍したアメリカのガレージバンドSONICSの、『Louie Louie』がかかってたんです。これはリチャード・ベリーっていうアーティストのカバーで、すごく激しい曲。60年代といえばビートルズは知っていたけど、教科書に載っている音楽のイメージが強くて。そんなビートルズと同時期にこんな激しい音楽を演奏していたアーティストがいたことを知って、頭を後ろからガーンと叩かれたような衝撃を受けたんですよ。ちょうどバスケ部を引退して、他に情熱を注げるものを探していた時期だったので、一気に引き込まれました。そこからSONICSを聴くようになって、彼らが影響を受けたリトル・リチャードとかチャック・ベリーとか、それまでは名前しか知らなかったアーティストにも興味を持ったんです。彼らの音って、機械的に厚みを増しているんじゃなくて、体から湧き出るエネルギーで音を厚くして、聴く人を踊らせているんですよ。そういうのを生で見たいし聴きたかったけれど、今の時代では叶わない。だから自分たちでやろうと思って、今のメンバーでバンドを結成したんです」

バスケ少年だった4人にとって、ブラックミュージックの洗礼は強烈なものだった。だがバンドを始めてみたものの、いきなり壁にぶつかってしまったと語る。

R:「リトル・リチャードやチャック・ベリーの曲を弾き方やコード進行まで真似してやってみたんですけど、全然できなくて。なんでかなって悩んだんですけど、SONICSにはR&Bやソウルっていうルーツミュージックがあるのに、僕たちにはそれがない。真似したってできっこないことに気づいたんです。だから彼らと同じ体験をして体に音楽が染みこめば、コピーを超えたカバーぐらいはできるんじゃないかと思って、ブラックミュージックを聴きまくりました。自分たちのものにするまではオリジナルも作らないしバンド名も名乗らないと誓って、大学生の頃はひたすらレコード店に通って、『今日はこいつがこれを買って明日交換して、みんなで聴いて』っていうのをやってました。それでようやく身についてきたと感じたので、2004年の初頭にバンド名を決めて、THE BAWDIESとしての活動を始めたんです」

とにかくルーツミュージックを深掘りすること。その真摯でストイックな姿勢でどん欲に音を吸収し、インディーズでの活動を続けること約5年。その成果を実らせて2009年に4月にアルバム『THIS IS MY STORY』で、メジャーデビューを果たす。そして同作品で第二回CDショップ大賞を獲得! 2010年を迎えたばかりの今は、ニューアルバムのレコーディングの真っ最中なのだそうだ。

R:「インディーズで活動していた頃は、ルーツミュージックを吸収することを第一に考えていたので、あまりオリジナリティを出してなかったんです。でも去年発表した「THIS IS MY STORY」は、いい機会なので自分たちの色を混ぜ合わせて、THE BAWDIESの音を世に出すことにしました。このアルバムは僕らのターニングポイントになっているので、CDショップ大賞を受賞できたのは、本当にうれしいことでしたね」

J:「僕らはルーツミュージックを大事にした土台作りをずっとしてきたので、その上に乗るものはどんなものでも、オリジナリティがぶれないと思うんです。だからセカンドはもしかしたら、ファーストとはまったく違うバンドじゃない? って思えるぐらいのものになっているかもしれません。でもそれもTHE BAWDIESサウンドといえる自信があるので、楽しみにしていてください!」

  • ディスクユニオン 新宿ソウル/ブルース館に行ってきた

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