「CDショップの未来を語る」CDショップ店 対談(前半)

「CDショップの未来を語る」対談・前半(2020年9月)

 

<対談>
山野楽器 EC営業課 仲西正代さん(CDショップ大賞実行委員長)
平安堂 物販事業部 秋澤加代さん(CDショップ大賞実行委員)

聞き手:CDショップ大賞事務局長 高安紗やか

 

<前半>と<後半>と2回に分けてお届けします。

 

<前半>
今年2020年初めに日本で初めて新型コロナウィルスの感染が確認されてから、感染が全国に拡大し、2月下旬から相次いで大型コンサートやイベントなどが中止になっていきました。
そのような中、3月12日、第11回CDショップ大賞2019開催も難しい判断を迫られ、CDショップ大賞実行委員とも毎日のように協議を重ね、授賞式開催という名目ではなく、“収録”という名目で無観客の中、北沢タウンホールにて受賞者の発表と一部記念ライブも行いました。
当日はマスコミや関係者の来場も断り、受賞アーティスト関係者の来場も最低限に留め、YouTubeの一般公開としました。

 

その後もコロナ禍において、コンサートやライブの中止・延期など音楽業界も相当なダメージを負い、CDショップも本部スタッフの在宅待機や、店舗の休業、新譜発売日の延期など混乱も余儀なくされました。

 

本来、CDショップ大賞と前後してトークイベントも予定していましたが、不定期に行っていた「CDショップの未来を語る」を、今回はCDショップ大賞実行委委員の女性お二人に限定し、山野楽器ミウィ橋本店が入るミウィ内にて対談を行いました。

 

 

視察習慣
秋澤:しょっちゅう銀座店(山野楽器)には行ってました。うち(平安堂)は書店との複合なので、CD専業店で客層が近いっていう点で山野さんかと、元々のオーナーがCDを売るにあたって“山野楽器さんを参考にしろ”とずっと言っていました。
棚のサインとか、全部書いて、当時スマホとか何にもないから、頭で覚えていて、外に出てバーって書いて、

 

―サインって何ですか?

 

秋澤:棚のサイン、ジャンルのサイン、例えば歌謡曲でも、「歌謡曲・演歌」なのか、「演歌・歌謡曲」なのか、「ジャズ」と「フュージョン」では、「フュージョン」は英文字表記なのか、カタカナ表記なのか、「日本の邦楽」、「日本のPOPS」、「日本のROCK・POPS」なのか、「日本のPOPS」と「日本のROCK」に分けているのか、って色々あるじゃないですか。

 

―それを1日で、ですか?

 

秋澤:1日でガーッと全フロア。ということをしていたんですよ。
個人的にはジャズフロアが好きです。視察、視察って言いながら、行って試聴して買って帰るという(笑)。

 

仲西:私、タワーレコードさんで同じことをしてました。見に行って試聴して買って(笑)..。

 

秋澤:タワーさんに行く時は、そこで見て国内盤だと自分の店に電話して「買うからちょっと発注しておいて」って。輸入盤だと(お店に)ないから買う、みたいな。
この間、久しぶりにタワーレコード新宿店に行って、うちはK-POP以外輸入盤はほとんど扱ってないので“あ、なにこれ?こんなの出ているんだ”って、そして買ってしまう、衝動買い(笑)。

 

―ずっともう、習慣化なんですね。

 

秋澤:習慣ですね。そう、ミウィ橋本の山野楽器さんにも出来てすぐに行きました。地元なので。この間久しぶりに見に行って、ちゃんと告知もしていて、ちゃんとしているけどツール(販促物)がハピネット(CD卸会社)さんのを使ってらっしゃって、その後見た時には“あ、独自にやり始めた”“結構手書きも増えていて、ひょっとしたらすごい手が入ってない?”って、思ったり。
そういえば、仲西さんがミウィ橋本店の店長だった時に出演された『99人の壁』、見てましたよ!(フジテレビ『超逆境クイズバトル!!99人の壁』2020年8月8日放送「真夏の音楽祭りSP」と題し、レコード会社、CD販売会社、ラジオ局など音楽業界に携わるプロ99人が集結。その99人の壁の1人として仲西さんが出演されました。)

 

 

フジテレビ『超逆境クイズバトル!!99人の壁』
―すごい活躍でしたよね!仲西さん。

 

仲西:あれは編集の力がすごかったんですよ。

 

秋澤:いやぁ、テレビであれだけ爪痕残すってすごいですよ。

 

仲西:第4回でCDショップ大賞を獲った、ももクロに関連する問題も良かったです。ファンの方がお店にいらして、「番組見ました!」って言ってくださって。嬉しいですね。

 

―「99人の壁」で使われた楽曲が、翌日twitterとかでも話題になったり、ダウンロードにも反映されたりしているようでしたが、お店にも番組の影響はありますか?

 

秋澤:出たり出なかったりですね。がっつりちゃんとした音楽情報をやる場合は私がツールを作るんですけど、見終わった後にどうしようかなっていっても夜中の作業は無理だから、自分がリアルで見た、店員が印象に残ったものがあったら「“話題盤”と書いて面にしておいてください。」と店舗に言ったりしますね。

 

 

CDショップに入ったきっかけ
―改めてお二人のCDショップに入ったきっかけなどを教えてください。

 

秋澤:私は特殊で。一番最初はCDショップとは直接は関係ない、CDショップの販促物を作る会社にいました。今でこそ違法になっちゃうような、アーティストのロゴのノベルティ、グッズを作ってお店で特典として買っていただく、店舗支援という名目の会社にいたんですね。
その時に今いる会社が書籍とレンタルの複合だったところに、CDの販売を本格的に進めるにあたって、お誘いをいただき、転職して今の会社に入ったんです。

 

そのまま店舗経験とか一切ないんです、実を言うと。最初はCDセルを始めるのに一からなので、メインの仕事はどっちかって言うとCDレンタルでした。ですからレンタル商業組合(日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合)さんとかのプロモーション委員会とかはずっとやっていて、取引先を増やした段階で一回リタイアして、戻って気付いたら、バイヤーやっているって言う感じです。
今は基本的に映像とCDとインディーズとメジャーと全部一人でやっている状態です。
事務所はずっと東京ですが、お店がオープンする時にはそのお店に出向いて、棚を作ったり売り場の設置までして、開店する日に帰ってくるみたいな。作り込んで、“あとは頑張って!”って。

 

仲西:販促って言っても売り場の陳列とかそういうのもやってるんですね。

 

―お店を見て回ったりもしてるんですか?

 

秋澤:してます、してます。陳列がすごい気になります。

 

―仲西さんも、教えていただけますか?

 

仲西:私は94年入社で、新卒で入社してずっと続いているって言う感じです。吉祥寺サンロードに配属されてから、府中、自由が丘、たまプラーザ、そして広島(広島県)、新店ができるたびに新店やリニューアルで点々としましたが、ミウィ橋本店に勤務してのち、本社に異動になってインディーズのMD(マーチャンダイジング)とWeb担当を兼任で4年くらいやりました。インディーズMDの時にOfficial髭男dismに出会って「とても良いので是非売り場でやってみてください!」とやってもらっても、無名に近いインディーズバンドだったので、やっぱり熱がなかなか伝わらない。自分で手を加えてやってみたいなと言う気持ちが芽生え「売り場に出たいです!」と上長に申し出て、ミウィ橋本店のリニューアルのタイミングで売り場に戻ってきて、そこからまた4年勤務しましたが、Webもテコ入れしなきゃいけないと言うことで、今年また本社のEC(オンラインショップ)へ異動することになって、4年周期くらいで行ったり来たり、ずっと動いています。

 

―それはヒゲダンが売れたから、もういいでしょう?的な…

 

秋澤:もう落ち着いたし、もう売れてるから、もうあなただけじゃなくてみんなちゃんとやってくれてるから…

 

仲西:私も心残りはないと言うか、やりきった感と言うのは正直ありました。(笑)

 

秋澤:また誰か出てきたら…..

 

仲西:そうですよね、またやりたいってなっちゃいますよね。心残りは、CDショップ大賞は行かなきゃ会えない…というコンセプトなので(異動して)売り場じゃなくなっちゃったなって。

 

―CDショップ大賞はCDショップ店員の投票で決まる賞ですが、売り場で先頭に立っている人はもちろん、バックヤードで発注する人も、本部で計画立てて仕入れている人も、みんなの手を通じてお客様に届けるので、だからぜーんぶひっくるめて私はCDショップ店員であると思ってますし、皆さんそのように参加していただいています。売れるとか、売ろうと言うのは一気通貫というのがいい流れを作っていくということもあると思っています。仲西さんがいらした山野楽器ミウィ橋本店は“ヒゲダンの聖地”とも呼ばれてますね。
IMG_2875山野楽器ミウィ橋本店 Official髭男dism POP展開
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仲西:熱を込めて展開してよかったです。ヒゲダンがインディーズの時、ライブにスタッフ数名で行ったんですね、ライブがすごく良かったりすると、そこでハマるじゃないですか、応援しようっていう気持ちが芽生えてそれが広がっていくんですよね。だからライブは見たほうがいいよってよく自分のお店や他のお店の子にも言ってました。

 

 

鬼滅の初動の流れも掴む
秋澤:お客様の方が早かったりもするし、どうしてもやっているこっち側は、特に入ったばかりのお店の子達はまだ若かったりするから自分の好きなものは、詳しい。

 

仲西:そうそう。

 

秋澤:お店に入ってくる時に一応聞くんです。「音楽はどういうの好きなの?」っていうと、今、多いのはアニソン。だから逆に私は分からないから常に勉強、「どれがいいの?これが良くて、これが売れない理由は何?」とかって聞いていますね。「何が起きたの、鬼滅って。」とか。びーっくりしました、私。
「鬼滅って今までコミック出てたじゃない?アニメが終わって続きのコミックが。アニメがそんなに良かったんだ。」「それだよー。期間限定のが売り切ってたけれど、いつの間にかソニーさん再生産してるよ。試しに発注出したら入ってきちゃった。ラッキー!」みたいな。

 

仲西:うちも!一時期商品は品切れてたのに、試しに注文したら、あれ?入ってきた。

 

秋澤:メーカーさんから再生産しますっていう案内なしで。するっと再生産されてましたね。

 

仲西:敏感にやってかないとダメですね。それこそ他社さんの予約チャートとかあるじゃないですか、そういうのを見て…。

 

秋澤:見ます、見ます。

 

仲西・秋澤:チェックしますよね。

 

 

J-POPという括りは終わった
―ここ最近、売れる内容だとか、お客様の変化みたいなものはありますか?

 

秋澤:12年前くらい前、うちは書店だから年齢層が幅広い、どちらかというと高い年齢層、それこそ30代後半から50代60代まで、どっちかっていうと重点的にその頃、60年代、70年代、80年代を経験してきた人たちにフィーチャーした売り場を作りましょうっていって、邦楽もJ-POPっていう言葉が出来ちゃったから、「J-POP」と「大人の邦楽」って完全に分けたんです。そういう売り場を作ってたんですけど、逆にいうと、大人の邦楽のアーティストの方がどんどん増えてきて、J-POPはJ-POPで増えてるんだけどすごく細かいというか、細分化されている感じもするし、あと逆にいうと今の若い子たちのやっている音楽が割とその頃(60年代〜80年代)に影響を受けてるのがはっきりと見える傾向が強くなってきた感じがするんですよね。それもあって、一緒に並べちゃえばいいじゃん、ていうぐらいの感じにもなってきたんで、また戻しはじめたんですね。

 

―あいみょんもテレビで影響を受けたアーティストに浜田省吾とかスピッツとか出てきて、大人の邦楽っていうのは線引きはどんな感じだったんですか?

 

秋澤:一番簡単に言うと、「昭和」と「平成」。だけど平成の前半でも今、現役じゃない人、現役感がない人は大人の邦楽に。だからサザンみたいな人たちが困るんですよ。

 

仲西:うちも一時期そういう話があって。分けた方がいいんじゃないとか。でもサザンとかユーミンとか、現役でライブやっているし、普通に幅広く売れてるからJ-POPに入れた方がいいよとか、そういうので結局分けるのやめちゃったんですよ。

 

秋澤:まだ分けたままのお店はありますけれど、リニューアルしているお店は一緒にしています。日本のポップス。J-POPっていう言葉を使うのはちょっとなんか違うかなぁと。

 

仲西:J-POPっていう括りがもう、米津玄師とかYOASOBIとか、ネットから出てきてJ-POPっていうニュアンスじゃない人が増えてきたと思いますし、

 

―J-POPという括りは終わったんですかね。

 

秋澤:もうJ-POPっていう言葉じたいが恥ずかしくなってきたっていう感覚はありますね。

 

仲西:ネット発とか、もうちょっといい呼び方ないのかなって、今私たちも売り場で展開してるんですけど。みんなで「クリエイターなんとか」とか、なんかいい言葉がないのかね、って。

 

秋澤:思いますよね。どこに置くんだろうっていうのもありますよね。結局昔の例えばボカロとかあの辺のアニソンコーナー、アニメコーナーだったんですけど、例えば和楽器バンドは最初が「千本桜」ですから、アニメコーナーにありましたが、いや、もうアニメじゃないでしょう、だからそこをどう移動するかとか、今、いわゆるネット発っていう言葉がもうSNS発じゃないですか、どっちかっていうと。もうネットっていう言葉じゃないですよね。

 

仲西:そうそう。そうですよね。「ネット」っていう言葉自体がなんとなく違いますよね。

 

秋澤:それが結局、ボカロもいれば、YouTube発もいれば、TikTok発もいれば、いろんなものがあるので、それをネットっていう一括りでいうと…アニメになっちゃう、いや、これは邦楽なんだけど….

 

仲西:ミウィ橋本店も和楽器バンドをJ-POPに移したんですけど、J-POP?っていう感じもあるんですよね、いろいろ難しいですよね、ジャンル分けって。ADAMatもジャズのコーナーだけでいいの?とか。

 

それと、結構YouTubeを見て来る方が多いんですね。「これ売ってますか?」って。そういうのを見てCDを買うっていう傾向も強まっているなという実感もあります。
この間アニソンの新世紀エヴァンゲリオン「残酷な天使のテーゼ」って1位だったじゃないですか(テレビ朝日『アニメソング総選挙』2020年9月6日放送)、60代が支持とかって。さっき言ったユーミンとかサザンとか今の60代とか70代と言っても、60代の人がアニメが始まった時は30代だったから、それは当然だよねっていう。30年経った曲だよなぁって。
だから、アニソンがなんで60代に売れてるのか、数字だけ見たら“え?!”ってびっくりするんですけど、そういう人たちが今、普通に聴く世代じゃないですか、ユーミンとか徳永英明とか。時代もそういう風に変わっているので。演歌とかそれこそひいおばあちゃんが聴くみたいなイメージになってるじゃないですか。その辺のジャンルもどんどん世代が変わってきています。
20代はネットありきでやってるから、ネット発っていうか、それが普通、テレビ見て来るのと同じレベルで….

 

―例えば、すごく単純な発想ですけれど、棚の2箇所にCDを置くのは無理なんですか?よく言われると思いますけれど。

 

秋澤:要はそれだけの在庫を持つための売り上げも必要だし、棚も必要だし、スペースも必要なんですよ。複合店の場合は、郊外店なんでお店自体は広いんですけど、当然その広さ全部CDで使えるわけではないですし。

 

仲西:昔はたくさん積んで展開して、時期がきたら引き上げる。大きくやってると売れてる感出ますし、1枚1枚置くより、全然そっちの方が売れるんですよね。返すのが結局ない、みたいな。割と今でもその傾向はあると思うんで、昔みたいなやり方をできないかなって思ってるんですけど。

 

 

一時期の固定化した感じはあまりない
秋澤:なかなか売れ筋ではないですよね….だからあとは新しいアーティストはどんどん増えてきているっていうのは確かに感じるんですよね。一時期の固定化した感じはあまりないかな。

 

― 一時期の固定化した感じが変化したのは、いつ頃からですか?

 

秋澤:どこから変わった感じがしたのかな。やっぱり米津君が出てきたところから変わってきている感じはしますね。ジャニーズさん、アイドルは別として、例えばJ-POP、邦楽でも決まった面子ではなくて、なんか新しい人が出てきたね感が特に最近増えてきた。

 

―確かにそうですよね。平成生まれ、昭和じゃない人たち。King GnuとかSuchmosとか。Suchmosの流れがあったから、っていうのはありましたかね。

 

秋澤:3年くらい前?実際、自分でもこのままだとアーティスト、例えばaikoとか、確実に売れるけどもう大化けはしないだろう、っていう、みんなある程度一定のピークにいった、数字が見えちゃうアーティストばっかりだった頃に、このままだとちょっとまずいな、新しい人たち見つけないと、と。その頃、すっごいCDショップ周りました。それこそ近隣のショップ、全部。都内。YouTubeとかで見て探してもいいんですけど、そうすると自分の好みにどんどんきちゃうじゃないですか。だから誰か分からない人を見るのは店行って試聴するしかないなっていうので、タワーレコードにもその時都内23区内全店行ったし、試聴して、誰かいないか誰かいないか、見つけてくると、ハピネットさんに「これ返品条件つけられない?」って交渉したりして。

 

―その時に見つけられた人ってどなたですか?

 

秋澤:その時一番最初はやっぱりSuchmosでした。お、何この子たちって。そのあとにすぐにテレビ出て、あ、推してるんだ。早っ。こんなタイミングでテレビ出る子たちじゃないよね、って。で、あれ?って。この子たちの事務所を聞いたらスペシャ(スペースシャワーネットワーク)だったし、スペシャの割にはTSUTAYAさん推してないし、それはそれでどうなんだろうって色々考えちゃうわけですよ、大人なことを考えちゃうんですよ、でも、『MINT CONDITION』の時のタイミングでもう、すぐ入れたかな、何店舗かで。

 

―TV出演、CMタイアップもすぐでしたね。

 

秋澤:メディアが絡むと強いですよ。

 

仲西:それこそ『関ジャム』(『関ジャム 完全燃SHOW』/テレビ朝日)とか今、若い子が見ている番組で取り上げられると次の日、バーンと売れたりとかしますし。

 

秋澤:だから絶対、『バズリズム』(『バズリズム02』/日本テレビ)と『関ジャム』は見ますよ。

 

 

“発売中!”だけ印象に残ってお店に行くと「出ないんです」って
仲西:実は私、『バズリズム』の「これがバズるぞ」番組アンケートにニガミ17才を推したんですけど2位だったんですよ。私以外に推してる人がそれだけいるんだって嬉しかったんですが、業界全体で盛り上げるんだったらCDショップと一緒に盛り上げませんか?っていうのは思いますね。あと、結局買う人はCD売り場に来たりとかするじゃないですか。なのにCD出してないとか、配信だけとか、○○限定とか。出してくれればいいのにってずっと思うのが多いんですよね…。

 

秋澤:ほんと思いますよね。YOASOBIさん、本出すんじゃなくてCD出してくださいよ(笑)。

 

仲西:せめて本にCD付きとか(笑)。(*この対談後、CDのリリースが決まりました。)

 

秋澤:本人たちのコンセプトもあるだろうし、メーカーさんの戦略もあるだろうしっていうのは分かるんですけど、う〜…とは思いますよね。

 

仲西:会いに行きたい(CDショップ大賞のスローガン「行かなきゃ 会えない 音がある」)っていうのがコンセプトでも、会いに行ったら“(発売自体が)ない”っていう状態ですよ…(涙)。

 

秋澤:だから瑛人君とYOASOBIはいくら結局“テレビで紹介されました”、“配信されてます”“配信発売中”って出ても“発売中!”だけ印象に残ってて、そうするとお店に行けばあると思って、「出ないんです」って(涙)。

 

仲西:「配信限定です」「え?配信?」みたいな感じで。いまでもCDを買いに来ようとしている人は多いんですよね。

 

―以前に比べて、単純ですけれど、若い人はダウンロード、だから若い人は来なくなったとかっていうのはありますか?

 

秋澤:いえ、若い子は特典が欲しいから。

 

仲西:若いからっていうよりは、買わない人は買わない、買う人は買うっていう感じです。

 

 

円盤が無くなるかもしれない
秋澤:若い子はただ音楽が好きっていうだけの人はひょっとしたらSNSで見ているかもしれないけれど、やっぱりファン心理として“持っていたい”、例えば結局ジャニーズのファンの子達もそうだし、あとは当然ですけれど若すぎる子達って親から制限されてるじゃないですか。スマホ使うの。っていうと、やっぱり欲しいっていうのはあるし。だからただ好きな音楽を聴くだけじゃなくて、ファンになると所有したくなる、ただひょっとしたらそれが盤じゃ無くなる…昨日もそんな話をして「そのうちコンビニで売ってるカードみたいなのを持ってきて特典をストックから出して渡すようになるのが10年後か?っていう..

 

仲西:それはありますよね。

 

秋澤:いずれ、そうなるのか。

 

仲西:ダウンロードカードみたいなのを買って、みたいな。

 

秋澤:で、そこに特典がつく。だからパッケージっていうのは円盤が無くなるかもしれないねっていう話をちらっとはしますね。先々考えると。

 

 

CDショップ大賞の選出や今年度予想
仲西:本当にわからないですよ。ガチでやってるので、この間も数票差でしたし。本当に一人が投票出さないと、そういう風にならないんで。ヒゲダンが大賞にならなかった可能性もあるので。

 

秋澤:投票のタイミングがね、King Gnu『CEREMONY』が出てるタイミングだったから、お店の子達が前作(投票対象商品が)っていうイメージがあったんでしょうね。

 

仲西:でも、逆に『CEREMONY』が出てるからこそ、前のアルバムも一緒に聴いて欲しいっていうので票が入ってることもあったり。店員さんの気持ちって(蓋を開けてみるまで)意外と分からないから。

 

秋澤:感覚として今、赤と青(CDショップ大賞の大賞は<赤>と<青>の2つ)になってるし、それこそいつも困ってるんだろうなって思うんですけど、当初のコンセプトとどっかズレてきちゃって、その調整で二つになってるじゃないですか。当初のコンセプトの残像が残っていると台風クラブが入ってきたりするんじゃないかなって思うんですよね。

 

仲西:難しいですよね。

 

―CDショップ大賞は、ヤラセじゃないじゃないですか。今年は○○を選ばないでくださいとか、足切りの問題も最初出てきました。10万枚以上売れている作品やオリコンチャートの10位以内は除外しましょうとか出てきましたが、それはその時のタイミングによって違うだろうし、足切りするのも難しいからCDショップの人の体感しかないって思って、それを信じるしかないと思ったんですよね。

 

仲西:それと、発表は3月じゃないですか、売り切った後っていうイメージもあって遅いって一般の人には思われるみたいなんですよね。先取ってないみたいな。もうちょっと先取った人に、そこまで売れてない人に賞を与えるみたいなのが本当はコンセプトに元々合ってるっていうのが一般の人が感じているのでしょうね。

 

―例えば前年の折坂悠太さん、今年のカネコアヤノさん、全国どのお店でもしっかり展開してくれますか?っていうことなんですよね。

 

仲西:大賞2回とったらもう殿堂入りでいいんじゃないですかね。

 

秋澤:売れてるっていうのは内容も伴っているから結果売れてるっていう、いいものはいいですよ、っていう。

 

―メーカーさんとの温度差はありますよね。これはCDショップの人が選ぶ賞でしょ?だから返品とかじゃなくて売ってくださいよ、っていう、売りたいタイミングや自分たちのプロモーションのタイミングもありますしね。

 

仲西:そういう意味ではヒゲダンは今回すごくハマったんですよね。大賞の<赤>だし、新人かと思いきや赤だったんで、ファンや周りの見え方もすごく最初のコンセプトに戻ったというか「(CDショップ大賞のコンセプトは)新人に賞を与えるという意味では?」みたいなものもあったし、メーカーさんもすごい協力的してくださって、購入者特典をつけてくださったり、売り場にもサイン色紙を送ってくださって、ファンの方も売り場の方もすごく喜んでくださったんですね、今回。本当に全部が一番いい、ベストな形だったんですよ。授賞式はできなかったですけれど。
そういう感じのつながりというか、アーティストとも繋がれてるし、お客様とも繋がれたし、本当にそれが一番。今回の賞みたいな形のものを今後もやりたいんですよね。

 

秋澤:希望言えば、メジャーな商品だったら返品条件より販促協力をメーカーさんにはお願いしたいですかね。

 

仲西:ヒゲダンは返品条件ありませんけど、売れてますからね。入れたら入れた分、それ以上にしっかり売れてますからね。

 

秋澤:ヒゲダンにしてもあいみょんにしても。

 

仲西:そういう売れ方が一番理想ですよね。

 

秋澤:理想ですよね。

 

―そこのさじ加減がね…。

 

仲西:今後は殿堂入りとか、変えていくのもありかなとか。
今年は、赤が○○○(これから投票なので敢えて伏せ字にします)とか○○○、
青は○○○、○○○ですかね。今年は赤が激戦区になりそう…..。

 

 

市場規模変わりますから、嵐いなくなると
秋澤:残りは嵐一色ですか…..。番組終了するっていうことは、本当に終わるんだ。これは強気でお願いするしかない。ファンクラブ盤(「ARASHI Anniversary Tour 5×20」)の方も在庫がなくなったらしくって、追加オーダーかけました。

 

―嵐って売り場にすごい貢献されてますよね。

 

仲西・秋澤:本当ですね。

 

秋澤:市場規模変わりますから、嵐いなくなると。

 

仲西:新人も頑張ってますけれど、嵐は別格でしたからね。

 

秋澤:業界の危機ですよ。

 

仲西:今回アルバム出て、CDでリリースしてくれるんだってちょっとホッとしたっていうか。

 

後半へ続く>