番外編

「ノミネートからは漏れたけれども、これも聴いてほしい。」

CDショップ大賞のノミネートが発表されましたね。コメント義務化、更に地方賞と合わせたことにより、ライトからヘヴィまで、様々な音楽ファンの好奇心を刺激できるアルバムが揃っていると感じました。今後、少数票のアルバムについても、HP上で紹介される予定、とのことです。個人的にはそちらが一番のお楽しみとなりそうです。僕の投票したアルバムも、そちらでご確認頂ければ、と思います。是非。

さて、今回は、僕自身がショップ大賞に投票を検討したものの、3枚の投票枠に漏れてしまったアルバムを紹介しようと思います。せっかく書く枠を頂いているのですから、たまには脱線、暴走するのもいいでしょう(って、まだ3回目ですけど。。。)。関東地方賞選考で1枚しかプレゼンしなかった悔しさをここでぶつけてやる!!

今回のお題1

Ar 「LOVE LU LE LO」JK写真

Ar 「LOVE LU LE LO」

Ar 「LOVE LU LE LO」
(XQER-1017 ¥2,310 バウンディ 2009年11月11日発売)

リリース当初は、聴き逃していたアルバムです。評判が高いので聴いてみましたが、なるほど良く出来た作品でした。宣伝文の通り、エレクトロ~フォーク~シューゲイザーの要素をうまく溶け込ませており、エレクトロニカ隆盛の今日でも抜群の存在感を放つ個性があります。フォーク、トラッド風④から、どろーんとしたダンスナンバー⑫まで、バラエティに富んだ楽曲群を、透き通ったヴォーカル坂本龍一氏が長年、推薦しているということだけで候補から外してしまいました。けれども、今聴き返してみると、投票すれば良かったかな、と思っています。サカナクションが好きな方には、ストライクなはず。

今回のお題2

ロロロ 「everyday is a symphony」JK写真

ロロロ 「everyday is a symphony」

口ロロ 「everyday is a symphony」
(RZCM-46305 ¥3000 エイベックス 2009年12月02日発売)

こちらも昨年リリースされていたものの、つい最近知ったアルバムです。日常生活をしている上で耳にしている様々な音を拾い集めて加工、各テーマに沿った自身のポップ・ミュージックへと変身させるアイディアの数々に驚かされる一枚です。それらの発信源となったであろう、いとうせいこう氏加入によりヒップホップ要素はより強固でバラエティに富んだものとなりました。店頭演奏時には店の雰囲気を一変させるインパクトを持っています。音楽に対する原初的な驚きを得ることが出来る類稀なる傑作。さすがに存在自体は知られているアーティストなので、投票は見送りましたが、是非一度聴いてみて下さい。

今回のお題3

ライスボウル 「きらめき」JK写真

ライスボウル 「きらめき」

ライスボウル 「きらめき」
(ROSE-99 ¥1,800 BRIDGE 2010年05月21日発売)

ROSE RECORDSからリリースされた、初期サニーデイ・サービスを彷彿させる叙情的な日本語ロック・バンドの初の全国流通アルバムです。トリオ編成。高品質のメロディと日本語の美しい響きが印象に強く残りました。③「虹娘」を始めとするバラッド楽曲で、より魅力が際立っています。問題発言かもしれませんが、これに先立ってリリースされた本家の作品よりもCDトレイに乗せていました。欲を言えば、アップテンポの楽曲が、あと1曲だけでも欲しかった、というくらいでしょうか。

今回のお題4

Over the dogs 「A STAR LIGHT IN MY LIFE」JK写真

Over the dogs 「A STAR LIGHT IN MY LIFE」

Over the dogs 「A STAR LIGHT IN MY LIFE」
(MDTR-002 ¥2100 BRIDGE 2010年6月9日発売)

東京出身。WAIKIKIレーベルがプッシュする新人バンドの1STアルバムです。疾走感とセンチメンタリズムを併せ持つメロウな楽曲群が魅力。高い声域のヴォーカルの清清しさも手伝い、誰にでも愛される普遍的な魅力を持っていると思います。ボーナス・トラック1曲を入れて15曲とヴォリューム満点の為、若干地味な曲もありますがクオリティは一定以上に保たれています。カラフルな歌詞カードも魅力的。こういった当たり前に良いバンドは、是非売れて欲しいです。とは言え、サマーソニックの出場権を2000以上のアーティスト群の中から勝ち取るなど、既に波に乗っている印象だったので、投票は断念。

今回のお題5

acari 「プリズム」JK写真

acari 「プリズム」

acari 「プリズム」
(DDCO-4002 ¥2000 バウンディ 2010年06月23日発売)

片寄明人プロデュース、フジファブリック等に続くバンドとして、レーベルも大プッシュしていた2NDアルバム。ダブ・ポップまでは、いきませんが、浮遊感、透明感(ヴォーカルも含めて)が全編に漂う、夢見心地のメロディが肝のロック・バンド。鍵盤、ギター2本を含む5人編成。ソフトロックなど古今東西、様々な音楽を反映させた楽曲を多彩なアレンジ、バンド・アンサンブルで一気に聴けます。繊細な音楽性ゆえ、瞬間のインパクトはそれほど無いかもしれませんが、聴く毎に浸透してくる音です。バックアップ体制も出来ており、眩しい新人に思えたので、敢えて投票からは外しました(あまのじゃくなので)が、応援しております。

今回のお題6

小田切大 「パブリック」JK写真

小田切大 「パブリック」

小田切大 「パブリック」
(DDCZ-1689 ¥2625 バウンディ 2010年07月07日発売)

内容、推薦文に関しては過去の記事をご参照ください。文章を書くために20回程は聴き込んだのですが、やはり本作は素晴らしい。ルーツがきちんと伝わってくる音楽はいいですね。

今回のお題7

やけのはら 「THIS NIGHT IS STILL YOUNG」JK写真

やけのはら 「THIS NIGHT IS STILL YOUNG」

やけのはら 「THIS NIGHT IS STILL YOUNG」
(FCT-1003 ¥2500 Pヴァイン 2010年08月04日発売)

人気ラッパー、やけのはらによる初のソロ名義でのアルバム。「Rollin’ Rollin’」関連アーティストとしてPヴァインより立て続けにリリースされた作品群(七尾旅人、やけのはら、DORIAN)は、いずれも素晴らしいアルバムでしたが、一枚選ぶなら本作を推します。爽快な夏を音楽で楽しむことが出来るアルバムです。キミドリのカヴァーが収録されていることからも伺えますが、90年代のヒップホップからの影響が顕著な作品。前述の二人ももちろん参加。やけのはら自身のラップを中心に据えながら、工夫を凝らしたアレンジでバラエティに富んだバック・トラックに仕上げており、一気に聴くことが出来ます。「Rollin’ Rollin’」の別ヴァージョンも素晴らしい出来。あまりヒップホップは聴かない僕でも、大変楽しめました。

まとめ

元々、JPOP担当ではない自分ですが、この1年は例年よりも細かくチェックしたつもりです。興味を持ったタイトルがあれば、是非一度、近所のお店に問い合わせてみてください。最後に。今回のCDショップ大賞では、月1回のミーティングなどにも参加させていただきました。熱意のある同業者の皆様と接することは、うまくいかないことの多い日常でも大変刺激となりました。ありがとうございました。まだ参加したことのないCDショップ店員のあなたも、是非一度、体験してみてください。

それでは、また次回をお楽しみに。

しばた・かずよし。1973年、神奈川県生まれ。木更津博文堂のCD売り場でアルバイト店員として勤務すると同時に、CDショップ大賞実行委員としても日々活躍中。初めて自分で買ったCDは「ビージーズ」と「ドナ・サマー」のベスト盤。好きなアーティストは「LED ZEPPELIN」や「(ガブリエル期の)GENESIS」。HM/HRを聴いて育ち、極端なブリティッシュロック好きではあるものの、70年代までの音楽であれば、日英米問わず押し並べて好き。実は90年代以降のJPOPは5年前まで、ほとんど聴いていなかったというハンデはあるものの、やっぱり音楽は選り好みせず色々聴いたほうが楽しい、つくづくと実感中。ちなみに、携帯電話は携帯しない主義。