タワーレコード 梅田大阪マルビル店に行ってきた!

「そんな金の卵がいらしてたなんて!」

高校時代、清 竜人さんがここを訪れ、湯川潮音さんのCDを購入していたという話をすると、インディーズ担当の西岡良子さんは驚きながら、こう話してくれた。

「すてきなメロディーに透明感のある歌声、漂う雰囲気……。言われてみるとお2人には共通点があるかもしれませんね。どこか妖精っぽい感じというか。お客さまからの人気が高くて、今も試聴機の上にディスプレイをつけたり、POPを描いたりして、よりわかりやすい展開を心がけています。ちなみに、当店の女性スタッフにも好きな人が多いんですよ」

1995年オープンのこちらのお店は、「パンクから演歌まで! 売りはとにかく、幅広い品揃え。オープン当初から大きな改装も行っていないので、昔ながらのタワーレコードっぽい雰囲気も残っていると思います」と、スタッフの稲田利之さん。

大阪マルビルのまわりはオフィス街ということもあって、お客さんは30~40代のビジネスマンやOLさんがメイン。2005年に、駅の反対側に客層の若い梅田NU茶屋町店ができてからはとくに、人の流れや店内の構成も少しずつ変化していったそう。

現在のオススメは、ドラえもんのジャケットが話題のタワレコ30周年記念コンピ「NO MUSIC, NO LIFE. SONGS」、バイヤーが発掘したアーティストをタワレコ全店で大プッシュする“タワレコメン”に選ばれた「SuiseiNoboAz」など。そのほか、忌野清志郎トリビュートコーナーなど、店内には、数々のディスプレイや濃いPOPが所狭しと並んでいる。
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「私が描かねば誰が描く! という感じで、かなり凝るスタッフも多いですね。西岡もそうですが、ふだんは口数が少なくておとなしいのに、POPを描くと別人格になるスタッフがいるんです(笑)」(稲田さん)

ちなみに昨年は、第一回CDショップ大賞準大賞の大橋トリオの作品がかなり売れたのだそう。失礼とは思いつつ、関東人を代表して、「大阪といえば、パワフルで熱いアーティストが売れるのかなと思っていたのですが……」と聞いてみた。

「もちろんウルフルズとか怒髪天のような熱いアーティストは非常に人気が高いです。関西人のイメージにないかもしれませんが(笑)、実は、大橋トリオさんのようなアーティストも人気があるんですよ。もしかすると、自分たちにはないものを求めているのかもしれません。爽やかなものに憧れるというか(笑)」(稲田さん)

取材の数日前には、「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」のDVD発売ということもあり、通勤時間帯の夕方に、レジ前から入り口まで長蛇の列ができたのだとか。

「お昼休みや会社帰りなど限られた時間の中で、お客さまが欲しいものを見つけられるようなわかりやすい売場づくり、もちろん、一歩踏み込んだマニアックな要望にもお応えできるような品揃えを目指しています!」(店長・寺本将己さん)

いい意味で雑多、そして「あそこに行けば、何か楽しい音楽に出会えそう」な気にさせてくれる、ワクワクを感じられるショップ。梅田に来たら、探しているものがなくても、フラリと訪れてみたい。

タワーレコード梅田大阪マルビル店
大阪府大阪市北区梅田1-9-20 大阪マルビルB1F
営業時間:11:00~23:00
定休日:不定休
TEL:06-6343-4551

文:井上健太郎

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