全国のスゴいお店を紹介していく「つのはず誠の“元気が出る＜CD＞ショップ”」。第31回は愛媛県を中心に全国展開されている明屋（はるや）書店のMEGA平田店 （さん、以下敬称を略します）をご紹介します。

ここがCDコーナーの入口。そういえば、最近は長野や愛媛で「ブルカ」加盟店の告知、よく見ます。（ある全国規模のポイントカードは、お店からの搾取が酷いとよく聞くのでその反動かな？）

CDコーナー入口から全体を見たところ。オムニバス・コーナーが年代別で分厚かったり、“演歌案内堂”（演歌コーナー）があったり、大人にも優しいお店です。

　この“明屋”を“はるや”と読めるかどうかで、その人が愛媛に愛や縁があるかどうかの“踏み絵”にもなりそうなほど、知らない人は全く読めない、しかし愛媛県人ならほぼ全員が知っている明屋書店。だって、松山市のような都市部から、最西端の南宇和郡まで津々浦々にあるのですから。

　しかも、書店中心の企業の場合、どうしてもCDは継子扱いになる店舗も多いのですが、ここ明屋書店は、スペースが限られていても愛媛県内の大半のお店でCD&DVDソフトコーナーがあります。そういう点からも、CDやDVDを“文化財”として意識しているように感じられて嬉しくなります。

　そんな明屋書店なので、大人音楽の多い今治市の喜多村店とか、アニメを強化している西条本店とか、松山市以外でも紹介したいお店はあるのですが、やはりMEGA平田店は外せません。だって、スピードスターレコードやキューンレコード、インディーズなどの品揃えを見れば、音楽好きのスタッフがいることが一目瞭然ですので。

こちら試聴コーナー。これだけお店の品揃えは豊富なのに、整然としているのは、やっぱり綺麗好きの愛媛のお店だからでしょうか。

予約タイトル一覧。ここもやっぱり綺麗。レイアウトも含め、綺麗にするとセンスも磨かれるのだと感心。

　MEGA平田店は、松山市の中心部から6～7km離れた郊外のお店ですが、学校帰りの生徒が多いのか、駐輪されている自転車が多数。そんな若い子から社会人、更にはお年寄りもくるメガストアなんだけど、何か他と違う・・・。と思って写真を凝視していたら判りました。

それは、こうした複合店の中では群を抜いて清潔感がある点です。勿論、オープンして間もないということもあるけれど、CDや新譜情報の棚も見やすくスッキリしていて綺麗。繁華街の大街道にあるデュークを訪れた時も思ったことですが、これも愛媛の県民性なのかもしれません。
（考えてみたら、デュークもLIVEハウスを居抜きしたような店舗で、品揃えもインディーズが山盛りなのに、店内にはダーティーな雰囲気が全くなく、それゆえに音楽愛が強いままに、幅広い年代の人が入りやすそうな良いお店！）

FM愛媛の看板番組『ベストヒットえひめ』のランキング・コーナー。お店から番組にリクエストをすれば抽選でプレゼント！こんな所からも地元愛を感じます。

お店の売上げランキング。シングルを見ると、斉藤和義、いきものがかり、安室奈美恵など年末からのロングヒットが多数。

　しかし、整然としているからといって、愛がないと考えるのはいけません。この県内のどの明屋書店にもあるのが、『ベストヒットえひめ』のランキング・コーナーとそのリクエストの青いBOX。年間ランキングを見ると、一見普通のランキングかと思いきや、AKB48のミリオンヒット曲よりも「マル・マル・モリ・モリ!」や「レーザービーム」が上位だったり、地元アイドルのひめキュンフルーツ缶が11位だったりと、何気にこだわりが見られます。

　お店のシングル・ランキング・コーナーや、紅白特集、さらには地元の大スター・秋川雅史特集からも、音楽が聴かれて、CDが買われることを大切にしている印象を受けました。だからこそ、ラジオ局とタイアップされているんでしょうけれど。いえ、これが本来の姿なんですが、最近は初回盤の種類やイベントの回数を増やすと、CDセールスへの影響が異常に強いので、こういう地方でしっかりとCDを売っているお店に行くと、その“原点”を教えてもらえるのです。

年末の紅白歌合戦コーナー。こうして見ると、豪華なラインナップだった事が解ります。これだけ今のスターが勢揃いしているのに“紅白は終わった”なんて言っていると、“終わった人”だと思われますよ(笑)。

AKB、少女時代と来て、秋川雅史？？と思うなかれ。アッキーは、愛媛県出身のお祭り大好き男（インティライミ）なので、ここではこんな展開も珍しくありません・・・というかここでは常識です！

　次に、アルバム・チャートを見てみます。
　

※今回は、品番別に集計　

　なんと、7位の小田和正カバー・アルバムを除き、TOP10すべてが紅白歌合戦出場歌手！しかも、8位のいきものがかりと10位の嵐のベストは1年以上前の作品！ぶっちゃけ松山市にも、あの人気新古書店が多数あって、そこではこの2作品を定価以下で買えるのにも関わらず、ここで旧譜がしっかりと売れるのは、ヒット感のある陳列、そして綺麗なお店ゆえに新品がより新品らしく見えることがポイントなのかもしれません。なお、11位のNoaは着うたで人気の女性シンガーで、やはり若い世代に人気のお店だと分かります。最後に、オススメ作品について、CDコーナー（HARUYA RECORDS）ご担当の田邊さんからコメントをいただきました。

LIONOTE．／『ボンジョルノ』

　愛媛県出身バンド。11/30にリリースしたセカンドアルバム。2002年、上京していた地元愛媛の仲間と結成。(当時のバンド名はレオン) 幾度かのメンバーチェンジを経て、現在のLIONOTE. になる。
下北沢・渋谷を中心にライブ活動を開始、間もなく動員も増え、インディーズにてフルアルバム2枚、シングル1枚、自主制作1枚をリリース。若さあふれる音で、M-9の「じゃこてん忍者」を是非。

なんと1年にわたってCDショップ大賞受賞作品を応援！ありがたや～！

　ここまでTVスターの人気ぶりを紹介しましたが、実はロック系の作品もしっかりプッシュされている。それは、『CDショップ大賞』を年間にわたって応援して下さっていることが何よりの証拠!その一方で、演歌が実は多めだったり、クラシック系のSACDを大量に置いてあったりします。個人的には、オムニバス・コーナーが、『アイのうた』シリーズなどのヤング向けと、『クライマックス』シリーズなどのエルダー向けを分けて、幅を広く取ってあったのが嬉しかったです（自分の企画作品も置いてもらえるので（微笑））。

　他のお店ではK-POPや女性アイドルコーナーに占領されつつあるので、これって店頭が大きな購入動機となるオムニバスにとっては大打撃なんですよね～。これからも、 “多くの人に音楽に興味を持ってもらおう”という配慮あるお店作り、期待しています！またお邪魔させて下さ～い♪